県内で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、飯田市は25日、対策本部を設置した。市長や部長級らでつくる対策会議では市民らに対し、イベントなどの開催を3月16日までの20日間、自粛するよう要請することを確認した。
不特定多数が閉鎖空間に集まるイベントには大規模な感染リスクがあることを勘案した。
この日の対策会議では現状について情報を共有し、活動目標や方針を確認。牧野光朗市長は市内での感染が間近に迫っているとの認識で「災害級の出来事」ととらえ、「市役所一丸となって危機的状況を乗り越える」と述べた。
危機管理室によると、市内からの感染者の発生と感染拡大を防ぎ、医療体制の維持や状況変化を踏まえたリソース(資源)の確保を活動目標に掲げ、広報体制の充実・強化に努める方針だ。
中止や延期を含め、20日の間の自粛について「現時点ではイベントや行事の開催を一律に自粛するよう要請するものではない」とし、判断基準を示している。
20日間の自粛を要請しているほか、家庭内で食料品や日用品といった備蓄の点検を呼び掛けている。
市職員に向けては、出勤前に検温し、37・5度以上の場合は出勤しないよう通知した。
市内での発生や感染拡大に加え、休校休園に伴う子どもの受け入れ先、公共交通機関や物流の停止、経済への影響、市職員がり患した際の対応なども対策課題に挙げている。
◎写真説明:新型肺炎の対策会議