本格的な夏の到来を前に、飯田広域消防本部は5日、飯田市川路の天竜川で流水救助訓練を行った。原則、全職員(216人)を対象に、5、6日の2日間実施。初日の5日は68人が参加し、要救助者、救助者双方の立場を実際に体験した。
水辺での遊びが増える時期を迎えるにあたり、天竜川など、河川で流された人の救助を想定して行われる流水下訓練は、ことしで3年目。動水圧や自由に行動できない状況など、流れる水の中ならではの状況を体験することで、安全かつ効率のよい救助活動に役立てようというもの。
冒頭、小平誠飯田消防署長は「水難事故では、救助をしようとした人が巻き込まれる二次災害が毎年全国各地で見られる。救助ノウハウをこの機会にしっかりと身に付け、いざという時に役立ててもらいたい」と激励。続く訓練は、水に浮くロープ「スローバッグ」を使い、流れる役(要救助者)と、上流から流れてくる人にスローバッグを投げて引っ張る役(救助者)とに分かれ実施された。参加者らは、ロープをうまくつかめなかったり、複数人で力を入れて引っ張ったりと、水の流れや抵抗の強さなどを改めて認識していた。
飯田消防署の御子柴竜さん(23)は「水の中では思うように体を動かすことができず、救助の難しさを実感した。要救助者の気持ちを体感できたことは、実際の救助に生かせると思う」と訓練を振り返り、「増水した川など、危険が予測される所には近づかない」、「万が一の場合は安易な救助活動を行わず、早期通報を」と呼び掛けた。