飯田市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の第4回が20日開かれ、感染拡大に伴う課題と対策を協議した。11~18日の感染状況を年代別にみると、50代以下に偏っており、「高齢者の感染がないことで何とか病床を回せている」との認識を共有。予断を許さない状況とし、高齢者への感染が広がらないよう市民に注意を促していくことを確認した。
会議は冒頭のみ公開し、会議後の会見で佐藤健市長は「今後の感染拡大を懸念する意見もあった」と話した。
医療体制について、佐藤市長は「ひっ迫している」と指摘。「若い人に自宅療養をお願いしながら病床を回している状況」と加えた。
また会議では、年末年始に地域外から帰省する学生らにコロナ検査費用などを補助する「Back to 飯田(結いターン学生ふるさと帰省事業)」キャンペーンの取り組み状況を報告した。報告によると、申請者数は19日時点で492人。1都3県に緊急事態宣言が出た8日以降に対象地域からの帰省に伴う申請はない。帰省前の検査で陽性が判明し、飯田に帰省しなかったケースは1件あった。
同事業を巡っては、市は1300人の申請を想定して予算を計上した。佐藤市長は「帰省を控えた学生が多かった」と推測。キャンペーンを起点として感染した例はなく、「学生には良識のある行動を取ってもらった」と評価した。
新規感染者が増えている市の状況を踏まえ、県は県独自の感染警戒レベルを5に引き上げ、「特別警報Ⅱ」を出した。中心市街地で酒類を提供する飲食店などに対しては31日まで、営業時間の短縮や休業を実施するよう要請。飲食店の従業員らには無症状の場合も含めて無料のPCR検査を集中的に行っている。
市は市有施設を「原則休館」とし、市主催の行事やイベントも「中止または延期」とした。また新しい生活様式の「定着支援補助制度」の受け付けを再開した。衛生設備の導入や衛生用品の購入にかかわる経費の一部を補助する制度で、3月末まで受け付ける。