新型コロナウイルス感染症の検体を採取する「飯田市地域外来・検査センター」について、飯田市は5月26日の検体採取開始から6月末までの実績をまとめた。計34人から採取し、いずれも陰性だった。担当課は、地域の検査要望に順調に対応できているとみた。
34人の内訳をみると、飯田市が58・8%で、町村が全体で26・5%。0~3人で推移し、6月26日が最多の5人。市保健課によると、検査数が徐々に増える傾向にある。帰省のほか仕事や旅行で訪れるなど「圏域外」は14・7%。
車に乗ったままの「ドライブスルー方式」が基本だが、寝たきりの人などセンターを訪れることができない人へも柔軟に対応している。
飯田下伊那地域に感染者を広げないようにと、地域の5病院が輪番制で医師、看護師、臨床検査技師を派遣する。池戸通徳課長は「医療スタッフの適切な対応が定着している」と分析。一方で、感染症への危機意識が低い患者もいるとして今後の課題とした。
第2波に向けては「関係機関が連携しながら検体採取をより迅速、的確に行っていく」と話した。
センターは県の委託を受けて市が設置し、飯伊地区包括医療協議会に委託して運営する。5月25日に飯田産業センター内の旧工業技術センター(同市上郷別府)に開設し、26日に検体の採取を開始した。
検体採取は月曜から金曜日の午後1時から2時間以内とし、当面は1日最大10人。当日午前10時までの予約分を受け入れている。
初診料、診察情報提供料などは保険診療と同様に患者の負担となるが、患者の住所地の市町村が負担するため、検査は無料で受けられる。
検体検査は主に飯田市立病院が担い、より迅速に結果が判明する「LAMP(ランプ)法」は緊急的な患者を優先。ランプ法だと4時間で陽性、陰性の判定結果が出るといい、陽性患者に対して迅速な対応が取れる。
民間の検査機関でのPCR検査も選択。検査体制強化のため市立病院ではPCR検査の機器を導入する計画もある。