「南ア南部 登山道整備の必要痛感」飯田市の登山家が現地調査

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[ 2013年 9月 26日 木曜日 15時46分 ]

 県の本年度「山岳環境緊急総点検事業」で、南アルプス南部の登山道と山小屋の実態調査の依頼を受けた飯田市の小木曽文彦さんと同市の岩崎俊徳さんはこのほど、8月27日から9月20日まで3回にわたり現地踏査を完了した。本紙の取材に小木曽さんは「静岡県との境の西側の崩壊がひどい。飯田市は南アの登山道整備に手を付けておらず、危険な箇所が何カ所もある。山小屋も長野県は避難小屋が唯一あるだけ。それに比べると、静岡県側はすごく整備されている」と感想を語った。

 県は独自の「山の日」制定を目指しているが、南アルプス南部の実態はとても山に親しめるような状態でないことが浮き彫りになった。登山道の崩壊や山小屋整備の遅れに加え、シカなどの鳥獣による高山植物の被害も深刻という。

 小木曽さんらは、光岳―聖岳を2泊3日、聖岳―三伏小屋を4泊5日、仙丈ケ岳―塩見岳を3泊4日で3回にわたり現地調査した。県からの依頼は、南アルプス南部の国立公園内の登山道と県の山小屋を調査する内容。北アルプスや八ケ岳などでも2人1組で計十数人で調査を実施している。小木曽さんと岩崎さんは元会社の同僚で、4年ほど前に2人で百名山を完登した実績があり、調査会社を通じて県から依頼を受けた。

 調査の結果、静岡県との境の西側の崩壊が著しく、道標もほとんどが静岡県のもので長野県のものはなかった。小木曽さんは「地元自治体の飯田市が登山道の整備に手を付けないといけない。危なくて落ちたら管理責任が問われかねない箇所が何カ所もある」と指摘。

 山小屋についても「長野県の小屋があるのは兎岳の避難小屋だけ。コンクリート製の8畳にドアが付いている質素なもの。それに比べると、静岡県側は光岳、聖岳、赤石岳、荒川岳などに県や市がそれぞれ約1億円をかけ、ヘリで資機材を運んで造った鉄骨造の立派な山小屋が6カ所ほど整備されている。トイレも静岡県側は水洗、浄化槽が整っており、ヘリで汚物を降ろしているところが何カ所かある」と報告した。

 静岡県側の山小屋は、特種東海製紙が100%出資する東海フォレストが県や市から委託を受け管理、経営している。長野県側では、伊那市が仙丈ケ岳や塩見岳、北沢峠などに山小屋、トイレを整備している。

 今回の調査結果について、小木曽さんは「山の崩壊を食い止める登山道の整備に役立てばうれしい。リニアで大騒ぎしているが、山の環境に県も市も目を配り、安全面も含めてお金をかける必要がある。高山植物についても静岡県側は防護柵をつくっているところが多いが、長野県側は三伏峠と仙丈ケ岳だけしかシカの防護柵がなかった」と強調した。

  

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