かぶちゃん農園が破産 負債総額21億8600万円

その他

[ 2018年 10月 2日 火曜日 15時08分 ]

破産手続開始決定を受けたかぶちゃん農園

 市田柿の加工、販売などを手掛ける飯田市川路のかぶちゃん農園(鏑木武弥社長)は1日、東京地裁に破産申請し、同日破産開始決定を受けた。民間調査会社東京商工リサーチや帝国データバンクによると、負債総額は約21億8600万円(2017年8月期決算時点)。

 かぶちゃん農園は2004年、「ケフィアヨーグルトたね菌」など健康食品の通信販売を手掛け、鏑木社長の父親が社長を務めるケフィアグループ内の「ケフィア・アグリ」として設立。05年に川路へ本社を移転し、07年に社名を変更した。

 設立当初はケフィアたね菌を利用したヨーグルト製造を主力としたが、後に地元特産品の「市田柿」の製造加工、販売にシフト。「柿蔵姫」や「柿照姫」など市田柿のオリジナルブランド化や、積極的な広告展開、メディア露出により知名度を上げ、10年8月期には売上高約34億7300万円を計上した。

 しかし11年8月期中には採算性の悪化から支払遅延が生じ信用が低下。同期の売上高は約13億2000万円まで落ち込み約7億1600万円の赤字を余儀なくされ、100人規模の人員整理を実施した。

 以降、事業を市田柿など農産物の加工製造にしぼり、販売など他の部門をケフィアグループに移管した。

 14年8月期の売上高は約10億2400万円にまで後退。その後増収に転じ、15、16年に相次いで名古屋市内にオープンした「かぶちゃんおいしい実感ショップ」などが販売を押し上げるなど、17年8月期には売上高約32億5900万円まで回復させていたが、この間も、取引先に対する支払遅延が発生するなど資金繰りは不安定な状態が続いた。

 そうした中、17年11月ごろからケフィア事業振興会が会員向けに展開した高利回りの買戻特約付売買契約「オーナー制度」の支払遅延が表面化。同制度には、かぶちゃん農園の市田柿も使用されていた。

 18年7月にはケフィアグループ被害対策弁護団が結成され、同年8月には消費者庁が債務の履行遅延などを理由に注意喚起する事態となり、同年9月3日、ケフィア事業振興会と関連3社が破産。販路の大部分を占める主要取引先を失うとともに、同弁護団らが振興会とかぶちゃん農園との関係性を追求したことなどから信用が一層悪化。ケフィア破産後、鏑木社長は事業継続の意欲を見せていたが、同月18日には従業員に対し、約50人ほぼ全員を10月20日付で整理解雇する意向を伝えていた。

 破産手続の開始にあたり鏑木社長は「主要取引先の破産、これに伴うブランド力の失墜により、事業を継続する上で耐えることのできない甚大な影響を被った。難局を乗り切ろうと方策を尽くしたが資金繰りの悪化が激しく、事業の継続が困難と判断しやむを得ず破産手続の申し立てを行うに至った」。「経営者として事業改善することができずこの状況まで至ったことは本当に申し訳ない」などのコメントを発表した。

 鏑木社長が従業員に説明

 かぶちゃん農園は2日午前10時から従業員に対する説明会を開き、鏑木武弥社長が破産手続きの開始を伝えた。

 出席した従業員によると、40人ほどが参加した。「未払い賃金に関する説明会」だと聞いて集まったという。

 従業員らによると、冒頭、鏑木社長が「1日午後5時に破産手続きが始まった」と報告。破産管財人が未払い賃金の対応を含め、説明したという。

 大半の従業員は9月20日に10月20日付での整理解雇を通告されているが、8月分の給与の約半分が未払いとなっている。

 手続きの開始を受けて「今後は管財人の対応になる」との話や、20日までは社員としての身分があり、給与支払いの対象になるとの説明があったという。

 飯田下伊那にある他のグループ会社に関連する言及はなかったという。

 説明会が終わった午前11時過ぎ、本社の玄関前に破産管財人選任を記した告示書が張り出された。

 説明会に参加した従業員の一人は「未払い賃金に関する説明だと聞いていたので驚いたが、あきらめた。多くの人がうつむいて聞いていたが、怒号も聞こえた」と話した。

  

関連の注目記事

powered by weblio


  

こちらの記事もどうぞ(広告を含む)