中国大陸の砂漠や黄土地帯などで巻き上げられた砂塵(じん)が、偏西風によって運ばれる「黄砂」が2、3日、飯田下伊那地域でも観測され、各地でかすみの現象が起きている。
長野地方気象台によると、県内への飛来は昨年11月12日以来6カ月ぶり。
黄砂の正体は、主に中国北部の黄土地帯の細かな砂塵(じん)。大気に広がり、日本に渡ってくるが、雨などに混ざって落ちることもあり、上陸は大陸から日本全体が乾燥した空気に覆われた時に多いという。
飯伊への飛来は、早い年で1月下旬や2月初めに確認されているが、3月から5月にかけてが最も多い。
かつては“春の使者”の代名詞とされていたが、近年は飛来量が増え、要因の一つに中国内陸部で進む砂漠化があると見られ、自然からの警鐘として受け止められている。
気象台は黄砂に関する長野県気象情報を発表し、「ところによっては視程が5キロメートル未満となる見込みで、交通への障害が発生するおそれがある」として注意を呼び掛けている。