広東省は兵庫県と1983年に姉妹・友好都市提携を結び、2000年から2年に1度、同省の大学生が兵庫県を訪れて各種交流を行ってきた。今年度はその中間年として、神戸市のほか長野県への訪問が決定。省主要9大学の学生172人と教師、省教育庁関係者、旅行関係者らが5日に来日し、6日まで神戸、大阪、鳥羽市などを訪ねた後、長野県内各地区を訪れ、12日まで日本での交流事業に参加する。
9月に発生した中国船と海上保安庁の巡視船の衝突事故によって日中関係が悪化し、今回の訪日も危ぶまれたが、市民どうしの交流ということで予定通り実施。学生らも気にすることなくリラックスして旅行を楽しんでおり、これまでの行程で問題は起こっていないという。
歓迎セレモニーでは牧野市長が歓迎の言葉を贈り、飯田市の成り立ちや伝統文化、産業などを紹介。環境モデル都市としての活動について語り「街中を散策してもらうことで取り組みの一端を感じてもらえれば」と話した。
交流団団長である広東省教育庁の袁本新所長は「団の飯田市への訪問は初めて。長い歴史の中、日本と中国は互いに学び合って手本とし、国を発展させ世界の文化を豊かにしてきた。学生たちの視野を広げ、日中間の相互理解と友好を深めたい。両都市の学生がさらに美しい明日を創造することを願っている」とあいさつした。
続いて記念品の交換が行われ、飯田市は三国志の登場人物のフィギュアと飯田市の写真集を、中国側は記念切手の冊子を贈った。記念撮影の後、牧野市長がパワーポイントでりんご並木を中心とした市の歴史、自然、文化、経済などについて解説。次に川本喜八郎人形美術館やエコハウス、裏界線、三連蔵、りんご並木などを歩いて回り、飯田の街を体験していた。
同団は松川町と高森町で宿泊した後、松本市へ移動。松本城や松本大学の大学祭などを見学し、10日に箱根、東京へ。12日に帰国する予定。