喬木村氏乗区にある「禍誤除(かごよ)けの滝」が縦長に全面結氷し、氷柱が青白く輝いている。最近の冷え込みで高さ約30メートルにわたって凍りついたようだ。近くの住民によると、例年だと3月上旬まで楽しめる。
穏やかな日差しとなった2日、結氷した滝をひと目見ようと訪れる姿もあり、冷たい空気が立ち込める滝の下から見上げていた。「見事な滝」「ことしは最高の氷柱になった」などと言い、しきりにシャッターを切っていた。
禍誤除けの滝は、同村と飯田市上村を結ぶ三遠南信自動車道矢筈トンネル喬木側抗口近くの県立矢筈公園内にあり、全面結氷の時期にはカメラ愛好家らでにぎわう。
40年ほど前まで、矢筈峠にある炭焼き窯で作った炭を背負って村まで運んでいたらしく、住民たちは険しく急な道の運搬で「過誤(災い)がないように」と願った。そこで、峠道の象徴だったこの滝を「禍誤除けの滝」と呼び、通行の無事を祈ったという。
氏乗区は6年前にトンネル口付近から禍誤除けの滝にかけて遊歩道を整備しており、歩いて20分ほどで滝までたどり着ける。