飯田広域消防本部は2日から、商品の取り扱いが増加する年末に向け管内のスーパーなど大型店52カ所を対象にした立ち入り検査を始めた。避難経路における通路の確保など出火防止対策について調べ、必要があれば注意や警告を行って安全確保に努める。
不特定多数の人を収容する大型店舗での火災において、逃げ遅れによる犠牲者が発生しないよう避難経路や避難にかかる設備の適正な維持管理について確認し、防火安全対策の推進を図ることが目的。20日までの計19日間で、各消防署員らが延べ面積2000平方メートル以上の物品販売店と、収容人数が300人を超える施設を対象に検査を進める。
高森町山吹のアピタ高森店では高森消防署員ら3人が訪れ、1、2階の売場やバックヤードを見て回り、防火シャッターの下に閉鎖障害になるものはないかなどを点検。1階食品売場では避難口の方向を指し示す誘導灯と店内掲示物の高さが同じで見難いとして、高さを調節するよう注意した。
同署の予防係長は「年末年始は人の出入りが多くなる。避難経路確保の徹底を」と呼び掛けるとともに、建物周辺に燃えやすい物を置かないよう指示した。同店の業務グループマネージャーは「店にとって火災が一番恐い。防火扉の下には物を置かないなど従業員に徹底したい」と話した。