天竜川下りの転覆想定した救助訓練

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[ 2012年 4月 21日 土曜日 10時57分 ]

 本格的な天竜川下りシーズンの到来となるゴールデンウイークを前に、行政や消防、警察機関などでつくる飯伊地区観光客安全対策推進会議(会長・石田訓教下伊那地方事務所長)は20日、事故防止を目的にした安全点検を飯田市松尾新井の「天竜舟下り」と同市龍江の「天竜ライン遊舟」で実施した。昨年8月に浜松市の天竜川で起きた川下り船の事故を受け、「転覆」を想定した救助・救命訓練の様子を確認。実際に2社の船に乗り、運航状況やコースの安全性も念入りに調べた。

 乗客ら5人が死亡した浜松の転覆事故の影響で、昨年は飯伊2社の川下り観光客も激減。下伊那地事所商工観光課によると、年間の利用者合計は前年比で2割は減ったという。浜松の事故を受け、国土交通省は全国の川下り船の運航業者に対し、全年齢への救命胴衣の着用や慎重な操船の実施の徹底を指示している。

 今季の安全点検には、下伊那地事所や飯田、阿南の両警察署、飯田広域消防本部、飯田労基署などから計26人が参加。安全対策表の項目に基づき、コース上に危険箇所がないか、監視体制や救助用具の整備は適切かなどを確認した。

 天竜舟下り社による救助訓練は「定期船が転覆して5人が落水。2人は自力で岸に着いたが、3人が流され、うち1人は意識不明」との想定で「弁天港」で行った。同社の船頭たちが船外機付救助船で落水者に見立てたマネキンを引き上げてから、心肺蘇生を展開。岸辺ではAED(自動体外式除細動器)も活用して、救急車両の到着を待った。

 同社では、03年5月に乗船の中学生ら29人が川に投げ出された事故以来、全乗客への救命胴衣の着用を義務化。昨年の浜松の事故後は操船訓練の回数をさらに増やし、毎回、訓練の場所や状況を変えるなどして、判断力などの向上を図っているという。

 訓練を見守った飯田広域消防の警防課長は「河川での救助活動は現場や事態が刻々と変化する難しさがあり、初動時の素早く的確な判断や関係機関との連携が求められる。二次被害の危険性もあり、事故を起こさない対策が何よりも重要」と強調していた。

 下伊那地事所商工観光課によると、管内では03年5月以降、川下り舟の事故は起きていない。同課の課長は「浜松の事故は飯伊の舟下りだけでなく、全域の観光に影響を与えた。大自然を楽しめる舟下りは人気のスポット。点検や救助訓練を通じて安全性をしっかりとアピールし、観光需要の回復につなげたい」と話した。

  

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