阿南荘めぐって町と法人が対立

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[ 2011年 3月 3日 木曜日 10時55分 ]

 阿南町北条の特別養護老人ホーム阿南荘の移転改築をめぐり、町が同施設を運営する社会福祉法人サンあなん(熊谷秋穂理事長)に対し、改築後の阿南荘の指定管理の条件として、現職の理事8人を町側の推薦する役員候補に交代するよう求めていることが2日までに、明らかになった。これに対し法人側は2月下旬に「理事刷新を受け入れられない」と回答。町側は3月7日に町としての見解を発表するとしている。

 町が昨年2月に公設民営方式へ方針を転換してから、町と同法人との溝が深まっていた。町と町議会は昨年12月20日、同法人に対し「貴法人との間には信頼関係が失われており、一定期間継続する指定管理委託契約には信頼関係が必要であることから、法人の全役員の刷新を切に望む」とし、町と町議会の求める▽評議委員会の設置▽理事会の役員刷新―を要求した。

 これに対し同法人は1月12日に「要請の趣旨については、重く受け止める中で鋭意検討し、改築後の指定管理を受託できる体制づくりを目指す」と回答。

 さらに町と町議会は2月8日に「全役員の刷新がいつ行われるか明示されておらず不十分」とし、町の推薦する役員候補者名簿を添付して再度役員刷新を要求。同月23日までに回答を求めた。

 同法人の熊谷理事長は同月23日、「町と町議会の求める方針を拒否する」旨の書面を町役場へ持参し佐々木暢生町長へ提出した。

 熊谷理事長は「町の対応はすべての意見が飲めなければ指定管理を認めないという強引な手法。町や議会にいくら権力があろうとも、許されることではないはずだ」と話している。

 *   *

 阿南荘は老朽化とユニット型サービス対応のため、以前から大規模改修が求められてきた。当初、サンあなんが自己資金で新施設の建設を実施し、町が建設用地を取得・造成のみを行う方針だった。09年12月、町議会で町所有となっていた救護施設富草寮と現在の阿南荘を同法人へ無償譲渡することが決まった。

 だが、新たな建物は全室ユニット型のみのため、低所得者にとって従来に比べ居住費が月額1万5000円ほど増加する。同法人は現在の利用者に対し、5年間の軽減措置を行う予定だった。

 これに対し町と町議会は、新たな利用者を含め従前の料金でサービスが受けられるよう「永続的な減免措置」を求めた。このため、新施設の建設を行政で実施し、運営を同法人に委託する「公設民営方式」に方針を転換。昨年3月議会でそれまでに決めた無償譲渡を破棄した。

 公設民営方式に伴い同法人が新施設の減価償却費約3000万円が必要なくなったことに代わり、同法人に対し新施設の使用料として35年間にわたり年間1484万円の使用料を払うように求めた。また、居住費の減免措置費用(年間約1900万円)に対しても永続的に同法人が負担するよう求めた。

 さらに、町は同法人に対し「留任事項」として①理事について議会選出理事を加えること②行政や議会関係者が加わった評議委員会を設置し、評議委員会が理事を選任する③サンあなん設立時に町と法人で交わした覚書は無効とし、救護施設富草寮と特養阿南荘の人事交流、給与平準化を図る―ことなどを求めた。

 同法人は▽35年間の施設使用料が総額で約5億2000万円に上り、公設のメリットがないこと▽介護をめぐる先行きが不透明な中、永続的な居住費減免措置が経営に大きく影響すること―などから反発。「留任事項」については①②について「国や地方公共団体は社会福祉事業を経営する者に対して、自主性を重んじ、不当な関与を行わないこと」と規定した「社会福祉法第61条2項」に抵触するとして反対。また③に対して、生活保護法に基づく救護施設と特養で性質が異なることから、同法人は両施設の会計をそれぞれ独立して行っており、法人設立時に当時の町長と交わした覚書の正当性を訴えている。

 このほか、新施設の内部の構造など、さまざまな分野について両者の意見の対立、食い違いが生じている模様だ。町は7日にこの件に関係する町としての公式見解を発表するとしている。

  

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