非常に強い台風18号は17日に速度を速めながら暴風域を伴って西日本を通過し、18日午前1時ごろ飯田下伊那地域に最接近した。飯田市では18日午前0時27分に最大瞬間風速が27・3メートルとなり、強い風の影響で倒木や停電、落石が飯伊各地で発生。国道や県道、村道が一時通行止めや片側通行となり、JR飯田線一部区間で上下線の運転を見合わせた。落果などの農業被害も確認されている。
中部電力飯田営業所によると、停電は天龍村、泰阜村、飯田市南信濃、上村、座光寺、根羽村、阿南町、喬木村、豊丘村、高森町、松川町などの最大約5500戸で発生し、原因は倒木。18日に段階的に復旧した。
17日午後11時38分に観測史上4位の最大瞬間風速19・4メートルを観測した飯田市南信濃では、18日午前0時20分から南和田と八重河内、和田の一部900戸、同0時27分から上村と木沢、和田の一部900戸が停電した。
同10時47分現在、500戸で停電が続いており、中電は同日中の復旧を目指している。
南信濃地区は停電のため上下水道と下水道が停止し、auの携帯電話は南信濃の一部で停波が起きた。同地区では強風による物置の転倒もあった。
倒木は飯田市の市道沿いや人家、公園など17箇所で発生。下伊那各地の道路沿いでも相次ぎ、天龍村早木戸では落石と倒木のため、国道418号が一時通行止めとなった。
16日からの雨量は飯田46・5ミリ、上村54ミリ、南信濃66ミリ。
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強風による農業被害も出ており、市町村やJAみなみ信州が18日朝から被害状況を調査している。
JAによると、同日正午現在までに松川町や高森町など産地の果樹園を中心にナシの落下やリンゴの擦れなどの被害が出ている。
ナシは先週から収穫が始まり、今週末から来週にかけてピークを迎える南水が風にあおられて落下した。リンゴはシナノスイートなど中生種からふじなど晩生種に擦れなどの被害が見られるという。
JAは同現在も調査と被害額の集計をしており、規模は明らかになっていない。