飯田下伊那地域では大雨の影響で、11日から12日にかけて各地で土砂崩落など大規模災害が発生した。飯田市座光寺では土砂崩落に巻き込まれて男性1人が死亡。豊丘村の崩落でも男性1人が重傷を負った。喬木村の県道では大規模崩落があり、大島地区の33世帯59人が孤立した。15日にかけても大雨になるところがあるとし、長野地方気象台が警戒を呼び掛けている。
飯田市座光寺では12日午後6時40分ごろ、小洞沢(こぼらさわ)川付近の斜面が崩れ、近くにいた同市大王路の牧内正繼(ただつぐ)さん(73)が巻き込まれ、死亡した。
豊丘村神稲では、村道で11日夜に土砂崩落が発生。12日未明、豊丘村神稲の自営業竹内敬二さん(58)が救助されたが、足の骨を折る大けがをした。
喬木村加々須の県道大島阿島線では11日午後11時すぎ、大規模な法面崩落が発生し、14日午前10時現在も大島地区が孤立状態になっている。
大鹿村釜沢では林道や県道に被害が出て、14日午前10時現在、5世帯7人が孤立している。
天龍村神原の国道418号では12日午後4時ごろ、大規模崩落が起こり、全面通行止めに。同現在復旧のめどはたっていない。
JR飯田線は14日、大雨災害の影響で水窪駅(浜松市)―平岡駅間を終日運休し、同日正午現在、伊那八幡駅―七久保駅間でも運転を見合わせている。
気象台によると、6月30日から13日までの累積雨量は、飯田で502・0ミリ、飯田市南信濃で758・0ミリ、阿智村浪合で912・5ミリとなっている。
14日も前線の影響で断続的な雨が降っており、15日正午までの24時間の降水量は南部の多いところで80ミリとなる見込み。これまでの雨で地盤が緩んでいることから、気象台は土砂災害に警戒するよう呼び掛けている。
◎写真説明:男性が死亡した飯田市座光寺の崩落現場(12日夜撮影)