飯田市や喬木村、豊丘村などの一部で12日午後、降雹(ひょう)があり、野菜や果物などに農業被害が発生している。自治体やJAみなみ信州などが13日朝から被害状況を調べている。
複数の関係機関によると、飯田市内では鼎や上郷、座光寺、下久堅などの地域で発生した。
鼎では午後3時ごろから約10分間、直径5ミリほどのひょうが降った。
喬木村でもほぼ同時刻に3~10ミリほどの降雹があった。
同時間帯に伊久間原の野菜園でレタスの収穫作業をしていた男性(22)によると、10~15分間降り続き、露地栽培のレタスに複数の穴が開く被害が発生した。
男性は手が付けられない状況だといい、「かなりひどい」と話した。
近くのリンゴ園では、肥大が始まった果実にひょうが当たって傷がつく、打撲の被害が出ている。
13日は朝から自治体やJAみなみ信州の担当者が現場を訪問し、状況把握を急いでいる。
被害の範囲や規模は不明だが、関係者らによると、天竜川沿いの地域に広がっているものとみられる。
JA営農部は、被害が出た農地に対し、消毒散布など防除対策の徹底を指導。被害果の摘果も呼び掛けている。
長野地方気象台によると、降ひょうは上空に寒気を伴った気圧の谷が通過したためと見られる。
同時間帯には落雷もあり、飯田市や大鹿村の計約1000戸でそれが原因と見られる停電も発生したが、いずれも数分程度で復旧した。
◎写真説明:ひょうにより穴の開いたレタス