「信州型事業仕分け」 必要か改善か議論活発

政治・行政

[ 2011年 9月 5日 月曜日 15時31分 ]

 県の50事業を対象にした「信州型事業仕分け」が3日、伊那市の県伊那合同庁舎と同市生涯学習センターで始まった。1月の先行実施時とは違い、新たに「県民判定人」を導入。初日は「教育・子育て」「建設」「行政運営」の3班に分かれて計17事業を扱い、仕分け人と県職員の議論を聞いた上で、対象事業の必要性などを多数決で判定した。4、5日は長野市の県庁で行われる。

 開会あいさつで阿部守一知事は「本格実施」に位置付ける今回の仕分けについて、南信での開催や都道府県レベルでは初という県民判定人の導入、先行実施時と比べて準備期間や予算反映までの検討時間が長くとれた点を挙げ「今回の実施は大変意義深い」と指摘。「判定結果を県政の効果的、効率的な執行に必ず役立てる」と約束した。来年度予算編成にも反映させる考えだ。

 仕分け作業は1事業1時間程度を目安に進行。「教育」班が最初に扱った「国際交流員設置事業」では仕分け人と県観光部国際課の職員との質疑応答を約50分にわたって展開、県民判定人の多数決では16人中11人が「要改善」と判断した。そのほかの内訳は「抜本的見直し」3人、「役割分担の見直し(市町村)」2人だった。

 同事業では国のJETプログラムを活用し、2008年以降に「CIR」と呼ばれる交流員を4人配置し、国際理解講座や学校訪問などを展開している。年間事業費は人件費を含め約2500万円。

 県民の異文化、国際理解の促進などを目的にした事業の必要性を説明する県職員に対し、仕分け人からは「効果ははかりづらいとするが、きちんとするべき」「国の一律的な制度に乗るのではなく、県の視点が重要」などの意見が出た。「4人では足りない。もっと増員すべき」の意見も複数あり、費用対効果を踏まえた業務内容の特化の必要性も指摘された。

 「AET(外国語指導助手)を活用できないか」の議論の中で県職員は「CIRは日本語レベルがAETより堪能」と説明。仕分け人からは「ネイティブに近いほど国際理解につながるのでは」「このプログラムをきっかけにグローバルな人材は出たのか」など多彩な追及があった。

 今回の仕分けでは、県民や市町村、県職員から提案された事業を中心に、時代や状況の変化に即しているか、実施手法の見直しや民間委託、指定管理の導入を検討すべきかなどの観点で選定した。

 1日3班の計9班が5~7事業ずつ担当。対象事業の必要性や妥当性などについて県の担当職員と質疑応答を繰り広げる仕分け人は1班5~6人で、政策シンクタンク「構想日本」の派遣者や公募県民、有識者らが担う。先行実施時は判定を下したが、今回は県民判定人に委ねる。

 「都道府県レベルの仕分けでは初」(阿部知事)となる判定人は、1班22~25人。住民基本台帳から無作為で抽出された18歳以上の男女の中から計181人が参加を予定し、このうち南信は55人となっている。

 判定は「行政の関与不要」「抜本的見直し」「役割分担見直し(国、市町村)」「(県が実施も)要改善」「現行通り・拡充」の5つの中から決める。

 3日間ともに午前9時半から午後5時ごろまで実施し、誰でも傍聴可能。インターネットやケーブルテレビでも中継される。

  

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