敗れた牧野光朗さんは、「突然の市長交代になり申し訳ない」と詫びた。鼎一色の一色公民館に集まった支持者らは、午後9時すぎの「佐藤氏当確」の報を受けて落胆。「早いな」とあちこちで声が漏れ、疑いの顔でじっとテレビ画面を見つめていた。
牧野さんは会場に到着すると落ち着いた表情で「4期16年、皆さんに支えられここまでこれた」と繰り返し感謝の言葉を述べた。牧野さんの声に涙をぬぐう支持者もいた。
牧野さんは「コロナの非常時に現職として責任を果たすため、選挙戦ぎりぎりまで対応しなくてはならなかった」と振り返り、謝罪。「この非常時に万全を期し、築いた関係を受け継いでいってほしい」と新市長に期待し、「課題は山積だが心一つにして乗り切って」と協力を呼び掛けた。今後については「全くの白紙」と述べた。
あいさつが終わると「良く頑張った」と声が上がり、支援者から大きな拍手が長く鳴り響いた。
水野こはる後援会長(84)は「どうしてこんなに早く決まっちゃったのという思いもあるが仕方ない。牧野さんは悪いこともせず病気もせず本当に市政のため尽くしてくれた」とねぎらった。会場からは国政挑戦への期待の声も聞かれた。
◎写真説明:敗戦の弁を述べる牧野さん