イスノキ県天然記念物に指定

政治・行政

[ 2014年 9月 8日 月曜日 9時41分 ]

飯田城のイスノキ 県教育委員会は5日、新たに飯田市追手町の「飯田城桜丸のイスノキ」と「野尻湖産大型哺乳類化石群」を長野県天然記念物に指定するよう、県文化財保護審議会の審議・議決を経て答申を受けた。これにより、県天然記念物は105件となった。

 

 イスノキはマンサク科に属する暖帯系の常緑高木。樹皮は灰白色、葉は長楕円形で厚く、互生する。伊豆以西・東海・山陽・四国・九州・琉球列島に分布し、長野県内での自生は知られていない。葉に生ずる虫こぶが染料に用いられるほか、堅くて重い材は床・柱・机・櫛・そろばん玉などに、灰は陶磁器の釉薬にと多用途に用いられ、人との結びつきが強い。

 

 また、庭園の植栽樹として利用され、近世の大名庭園や御所などに植えられている。飯田城跡の一角、桜丸にあるイスノキは、脇坂氏時代に初代安元が2代安政を養子に迎えるために御殿を建てた曲輪で、安元が多くの桜を植えたことから「桜丸」と名づけられたといわれている。

 

 現在残る城絵図や指図などから、桜丸は藩主や一門の個人的で非公式な生活の場としても利用された側面がうかがえる。また、現存する「堀家蔵書」(飯田市立図書館蔵)から、茶道や茶道具、さらには造園に対する関心の深さが浮かび上がる。

 

 飯田城桜丸のイスノキは、目通り周約2・3メートル、樹高約12メートルで樹冠もよく繁り、樹勢が良い堂々とした風格がある。自生の北限を超えた高冷地の長野県で、このような巨木が今日まで伝えられてきたのは、飯田城内で大切にされたばかりでなく、近代以降も地域の人々によって大切に守られてきたことを示している。

 

 同審議会では「城下町飯田の歴史と文化を象徴する樹木の1つ。高冷地におけるイスノキとしても注目すべき巨樹であり、本県の植栽植物を考える上で重要な固体」としている。

 

 1971年に「桜丸の蚊母樹(いすき)」として飯田市指定文化財(天然記念物)に指定されている。

  

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