第25回参議院議員選挙が4日に公示され、21日の投開票まで17日間の選挙戦がスタートした。前回選から1人区で唯一の議席を争う県区は、正午までに国民民主党現職の羽田雄一郎氏(51)、自民党新人の小松裕氏(57)ら4人が届け出ている。3年前に続く事実上の与野党一騎打ちで、改憲や消費増税への賛否、年金制度のあり方などを争点に舌戦が繰り広げられる見通し。
立憲民主、共産、社民党が支持して野党共闘で臨む羽田候補は、長野駅前で第一声を放った。
選挙を「国民と安倍政権との戦い」と位置付け、4党に加えて市民と共闘する姿勢を強調。子どもたちに責任の持てる政治の実現を掲げ、「国民生活は大きな不安の中にある。国民の手に政治を取り戻す」と訴えた。
小松候補は公明党が推薦する。出陣式を開いた県庁近くの施設前で第一声のマイクを握った。
「与党の議席を守り抜くための大事な戦い」と声を上げ、若者回帰につながる学びの仕組みづくりや医療、教育の充実、雇用対策の推進を主張。「みんなが安心して暮らせる信州、日本をつくる」と決意を述べた。
他に政治団体「労働の解放をめざす労働者党」新人の斎藤好明氏(69)、政治団体「NHKから国民を守る党」新人の古谷孝氏(43)が届け出ている。
斎藤候補は「長時間労働や非正規労働、女性に対する差別的な待遇を中心課題に据えて戦う」、古谷候補は「NHKのあり方を見直す」と訴えた。
選挙戦は投票日前日の20日までで、5日から期日前投票が始まる。
3日現在の県内の有権者は175万9735人。うち、飯田下伊那地域は13万4270人。
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任期が6年の参院議員は3年ごとに半数を改選する。公職選挙法の改正で定数増があり、今回の改選では定数245議席のうち、選挙区で74、比例区で50議席の計124議席を選ぶ。
選挙では6年半続く安倍政権の評価が問われる。
焦点は自公の連立与党が改選後の過半数を維持できるか野党が勢力を拡大するかや、維新なども含めた改憲勢力が3分の2を維持するかどうかなど。
自民は自公で過半数となる63議席の確保を最低目標に掲げ、野党は長野を含む全国32の「1人区」で共闘し、その阻止を目指している。
同現在までに全国では約360人が届け出ている。
◎写真説明:候補の一声に耳を傾ける有権者(長野駅前)