喬木村は8日夜、村政懇談会を阿島北の北コミュニティー消防センターで開いた。リニア中央新幹線が阿島北の中心部を通過するとあって、質疑応答ではリニア計画に対する質問や要望が目立った。懇談会は阿島北を皮切りに、来月13日まで16カ所で行う。
リニアの環境影響評価準備書によると、村内路線は阿島北の中心部を東西に横切る。地上通過に伴う日照権の補償に向けた村の姿勢を質す住民もいた。
高架橋は幅14メートルだが、セキュリティーや保守、環境などの面から4メートルずつの緩衝帯が設けられ、用地幅は22メートル。路線によって地区が南北に分断されることを懸念し、用地を活用して利便性の高い道路をつくるよう村としても要望してほしいとの声も。昨年8月に42・8キロに延伸された山梨県の実験線で、最新車両「L0系」を使った一般試乗会が11、12月に行われる計画を指摘し「500キロで走行するところを見ないと実感が湧かない。視察を計画してほしい」との要望もあった。
村からの報告では、村は総額33億3000万円の本年度一般会計当初予算の概要や3年計画で進める都市再生整備事業、リニアや三遠南信道に対する村の取り組み状況を説明。阿島南の農村交流研修センターを核とする「小さな拠点」づくりの構想にも触れ、同センターを中心に半径250メートルの円内を拠点とし、行政サービスや商店、福祉、観光などの施設の集約化を目指すとした。
市瀬直史村長は着任後、初の懇談会。選挙で掲げた5つのビジョンを抱負として示した上で「すぐに取り掛からなければならないもの、長期的視点に立って取り組むべきものなどを整理し、着実に実現していく」と述べた。