有識者と首長が意見交換 基本構想計画めぐり

政治・行政

[ 2014年 11月 26日 水曜日 14時37分 ]

 飯田下伊那14市町村でつくる南信州広域連合は22日、2027年のリニア中央新幹線の開通を見据えた新年度からの広域計画となる「基本構想・基本計画」の策定委員会の第11回を飯田市追手町の県飯田合同庁舎で開いた。地域づくりの重要な柱に「定住促進」を掲げた計画素案をめぐり、有識者らと飯伊の首長らが意見を交わした。実現に向けては、14市町村の役割分担や地域全体のコーディネート役、教育の充実などを重視する声が目立った。策定委員ら約60人も聴講し、来月の最終会合への参考にした。

 素案は地域全体に共通するキーワードに「ナチュラル」と「エコロジー」を掲げた。地域内の多様な資源や特色、可能性を生かした「定住促進」の方向性について▽多地域居住の推進▽芸術・文化、教育の活用▽スポーツと保健・健康の促進▽新たな産業の振興や誘致▽新たな機能(研修・会議機能)の創出―から成る「5つの地域づくり」に集約。共通項として、観光(=交流)、教育、コミュニティ、安心安全を挙げた。

 2010年に同広域連合が策定した「リニア将来ビジョン」の検討にも関わった有識者のうち、日本経済研究所の大西達也調査局長は「5つの地域づくりは市町村ごと分散ではなく、どこがどういう活動を担うのか、ネットワークを含めた議論を願う」、東京大の瀬田史彦准教授は「実現へのコーディネーター、人づくりが重要。各市町村の長所短所を詳細に認識し合うべき」などと述べた。

 コモンズ投信の渋澤健会長は「子育て世代を呼び込むのに、世界に誇れるような教育は大きな力になる。日本の進学の場のようなブランドを作り上げてみては」と提案し、都市づくりパブリックデザインセンターの小澤一郎理事長は「定住促進を待つのではなく、積極的に取りに行く戦略が重要」として、市街地のエネルギー政策やモビリティー(移動利便性)での「革命」を期待した。

 建設的な指摘も相次ぎ、金沢工業大学の竹内宏彰客員教授は「意見や思いを最大限に集約すればするほど、何が特徴かは分からなくなる。選択と集中による差別化、広域連合として市町村が組むことによる規模効果を発揮すべき」「切磋琢磨で全体のレベルが上がる。総論賛成、各論競争の姿勢を」と提言した。

 素案の中で、今後望まれるインフラとして▽コンベンションセンター▽スポーツ施設▽高等教育機関▽研究開発機能の拠点施設―を含めた点に対して有識者からは「自己財源のみですべて造れるものではない」「既存ストックをリノベート(用途や機能を変更)して使う知恵も出してほしい」など、民間活用やソフト面の議論を優先すべきとの注文が出た。

 基本構想は15―24年度、基本計画は15―19年度が計画期間。策定委は来月6日の最終回で全体素案をまとめる方針で、意見公募を経て来年2月の同広域連合議会に成案を議案提出する。

  

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