天龍峡温泉交流館を市議会が視察、方向「年度内に」

政治・行政

[ 2014年 4月 30日 水曜日 13時10分 ]

 飯田市議会産業建設委員会(吉川秋利委員長)は23日、前年度の議会による行政評価で市の管理事業としては「廃止」を提言した市営の温泉施設「天龍峡温泉交流館」(同市川路)を視察し、市から現況や今後の方針の説明を受けた。市側は今後の天龍峡一帯の振興に向けた議論のたたき台となる「将来の観光イメージ」図を初めて提示。同館については「天龍峡の歴史文化に触れる癒しと交流の拠点」に位置付けており、本年度中に活用方法や運営主体などを含む具体的な方向性をまとめる方針を伝えた。

 市観光課によると、同館は1972(昭和47)年の築造。同館を運営していた第3セクターが2007年に経営破たんした後、市が施設を購入し、簡易宿泊・入浴施設として経営する。「若返りの湯」の他、研修棟や宿泊棟を備えるが、老朽化が進行。市は「天龍峡全体と合わせての再生を考える」として、地元のまちづくり委員会や飯田観光協会の代表らを交えた利用法の検討を進めている。

 一方、市議会側は同館の年間の管理事業費(約1200~1800万円)も踏まえ、明確な方向性がないまま市の事業として続けることを問題視。13年度の提言では「施設利用の方向性が明確にならないので、過去の経過も踏まえ事業を廃止すべき」「地元の要望による管理運営、使用にあたっては、指定管理者制度の導入や周辺整備の状況を見据えた利用方法を検討すべき」と踏み込んだ。

 今回の視察は産建委員会としても、今後の同館や天龍峡のあり方を共に研究していくための一環。施設の状況を見て回った委員からは「早く明確な方針を立てて、大規模な修繕なり整備が必要」「現状では客の増加は厳しい」などの感想が聞かれた。

 今後の市の方針については市の天龍峡再生担当専門幹が「将来の観光イメージ」とともに説明。新たな眺望スポットとして期待される三遠南信自動車道の「天龍峡大橋」(仮称)の開通も見据え「天龍峡全体のあり方を考える中で、同館のあり方の議論を深めていきたい」とした。

 イメージの中では同館を「天龍峡の歴史文化に触れる癒しと交流の拠点」ととらえ▽保存管理活用の中心施設▽名勝の自然、歴史、文化などの案内展示施設▽静かな日帰り温泉と郷土食の提供▽高校生などと連携した郷土食の研究と発表―などの役割を例示した。

 説明を受け、吉川委員長は「切迫感が足りないのではないか。市の運営管理が決まったのが2007年。年内には方向性を示してもらわねば、市民への示しも付かない」と指摘。観光客の立場からの研究も重要視し、委員会として、夏にも天龍峡での観光レジャー体験や同館の利用を検討したい意向を示した。

 木下克志委員も「2007年の市の取得時は『天龍峡再生の拠点としたい』との説明を受けて納得はしたが、未だに拠点とはなっていない」と述べた。

 地元代表も参加し、龍江まちづくり委員会の藤本典治会長は「観光客からは天龍峡に休憩所や飲食所が少ないとの声を多く聞く。交流館を一つの拠点にできれば」、川路まちづくり委員会の関島雅直会長は「心も体も生き生きとできる施設として活用したい」などの思いを語った。

 同館のあり方について市は、来年度からの民間移行も視野に両まちづくり委員会や地元の観光団体などを交えた検討を深め、本年度内にまとめたい考え。

  

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