天龍村でしあわせ信州移動知事室

政治・行政

[ 2016年 5月 19日 木曜日 9時30分 ]

 阿部守一知事が飯田下伊那地域を視察している「しあわせ信州移動知事室」は17日、天龍村老人福祉センターで開き、村の特産品である茶や柚餅子(ゆべし)、伝統野菜「ていざなす」の生産者らと意見交換した。いずれも高齢化で担い手不足が課題に挙がる中、阿部知事はサービスや物流面などでの連携の必要性を指摘。農業生産法人「天龍農林業公社」に商品発信のまとめ役となる「地域商社」の役割を担うよう提案した。

 ていざなす生産者組合の秦正組合長は「村の農地を守り、高齢者が楽しく農業できる地域づくりを」と農地拡大の協力を要望。27歳のとき同村にUターンした男性(40)は「高齢化であと5年もすれば生産量は落ちる。付加価値の高い作物を作る必要がある」と訴えた。JAみなみ信州茶部会副部長(48)も茶を生産する主力メンバーが70歳以上で後継者不足を指摘。「質の高いお茶作りを頑張るしかない」と述べた。

 40年にわたり柚餅子を生産する女性(80)は「高級レストランで扱うような質の高い柚餅子についてくれているお客さんを逃したくない。何とかして若い人たちに夢を託したい」と切実に訴えた。6月に任期が切れる村地域おこし協力隊で柚餅子の加工やPRに関わる男性(28)は、退隊後も村内で特産振興に携わることを踏まえ「茶や柚餅子の仕事など年間を通して生活できる、生計が立てられる仕組みづくりが重要」と語った。

 阿部知事は「地域を売り出すにあたり、トータルで物事を考えることが大事」とし、特産品間や生産者間でのつながりが薄く、個人販売が目立つ手法に「協力できるところは協力すべき」と指摘。天龍農林業公社の宮澤直祐副社長は「残っている9割の原料を商品化している状況。販売面が一番遅れている」と述べると、阿部知事は同公社が販路開拓などを行う「地域商社」の役割を担うよう提案した。

 またお茶について「県内に上質なお茶が生産されていることは大変貴重なこと。どうマーケティングするかが大事。県内観光地でも信州産のお茶を使うべき」として、県観光部を通じてホテルや旅館に利用を促すよう指示するとした。

  

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