天龍村は、AR(拡張現実)技術を取り入れた職員名刺を作成し、7日から利用を開始した。スマートフォンのカメラを向けると、ブッポウソウや坂部の冬祭りなど村の魅力を紹介する動画が流れる。AR名刺の導入は飯田下伊那地域の市町村では初という。
ARは、現実環境をコンピューター上に拡張する技術。紙面媒体では、あらかじめ登録したアイコンや写真を掲載し、利用者がスマホのカメラを向けた際にインターネットを通じて動画や音楽を配信する仕組みが普及し始めている。
村が取り入れたのは同様の技術。名刺に印刷したアイコンにスマホのカメラを向けると、村を紹介する動画が流れる。
春はブッポウソウ、夏は茶摘み、秋は羽衣崎の紅葉、冬は坂部の冬祭りと、村の四季をテーマにした各1分の動画4本を作成。村鳥のブッポウソウは、5月に村に渡って村内を飛び交う姿や、村が独自に撮影した営巣風景などを盛り込んだ。
茶摘みでは段々畑の風景と伝統の茶摘み唄を流し、坂部の冬祭りでは主役の鬼「たいきり面」の躍動感あふれる舞を映像にまとめた。
大平巖村長は「村の魅力を伝える際、動画が流れると説明がしやすい。アピールするための新しいスタイルとして活用していきたい」と話していた。