徳島県阿南市議会の11人が18日、阿南町を訪れ表敬訪問を行った。阿南市と阿南町は同名のよしみで交流が続いている。今回は、定住自立圏について先進地の状況を探ろうと視察研修の一環で訪れた。
両市町の交流は、1992年に阿南市の新野高校が甲子園に出場した際、阿南町立新野小学校が手紙を送ったことをきっかけに両校で文通が始まり、2005年に阿南市長が阿南町を訪問、その後も新野地区住民が阿南市を訪問、阿南市側からも阿波人形浄瑠璃の団体が阿南町を訪れるなど住民交流も深まった。ことし2月にも阿南町議会が阿南市で視察研修を行った。
阿南市はことし3月に定住自立圏の中心市宣言を行い、共生ビジョンの策定へ向けて取り組んでいる。今回の研修では2泊3日の日程で、定住自立圏の先進事例の飯田市と阿南町を訪問した。
前日、飯田市で定住自立圏について話を聞き、夜は阿南町議会と交流会を行った一行。阿南町では佐々木暢生町長や町議会議員が迎え、町が実施している定住促進施策として、空き家バンクやクラインガルテン新野高原、和合福祉村などの話を聞いた。
このうちクラインガルテンでは、入札の条件に下請けの地元採用比率を設定し、建設事業費の一部が地元の経済に流れるよう配慮したことを説明すると、阿南市からの議員も興味深そうに聞き入っていた。
阿南市議会の嶋尾議長は「初めて阿南町を訪問したが、新緑の美しさに感動した。町の皆さんと末永くお付き合いし、交流の輪が広がっていくように」とあいさつ。
佐々木町長は「遠方で規模も違うため、友好提携や姉妹都市提携などは考えていないが、同じ地名が取り持つ縁。住民同士で相互に交流を深めていきたい」と話していた。