12日に任期満了を迎える泰阜村の松島貞治村長(68)の退任式が10日、村役場であった。職員約40人を前に、村長は「皆さんのおかげで今日の泰阜村があることに感謝したい」と述べ、6期24年間にわたり歩み続けてきた松島村政の幕を閉じた。
この日、午前中は最後の事務整理を、午後は下伊那北部ブロック町村議員研修会に出席した松島村長。退任式では企業誘致や少年野球教室の開催、短歌大会などこれまで取り組んできた政策や事業を振り返りながら「人と人とのつながりをつくっていくことが大事」と強調した。
さらに「村長は自分で決めることが大事と言い聞かせ、ワンマンに映ったかもしれない。財政が厳しい中で職員も一生懸命働いてくれた」と感謝の言葉を述べ、「日の当たらない部分に光を当てる、自分のことよりもあなたのことをという精神があれば、いい職員、人間、良い村になる。今夜は安心して寝て、明日も良い朝日が昇るという村づくりをお願いしたい」と思いを託した。
職員を代表して原田瑞穂教育長は「本当にお疲れ様でした。松島村長が敷いてくれた道を引き継ぎ、自立した村づくりに引き続き力を尽くしたい」と長年の労をねぎらった。
退任式が終わると、役場正面玄関前に2列に並んだ職員らに拍手で見送られた松島村長。最後に両腕を高く上げ、職員時代から数えると半世紀にわたり通い続けた役場を笑顔で後にした。
5日の村長選で初当選した横前明氏(59)は17日に初登庁する。