県事業仕分け 「効果明確に」の声相次ぐ

政治・行政

[ 2011年 9月 6日 火曜日 15時58分 ]

 県民参加で県の事業の必要性などを評価する「信州型事業仕分け」は3―5日に伊那市と長野市内であり、初日と2日目の計33事業(計37件)の判定は「要改善」が23件、「現行通り・拡充」が13件、「役割分担分担見直し(市町村)」が1件となった。2日間で「不要」と「抜本的見直し」は出ていない。

 今回の仕分けでは、仕分け人と県職員の議論を聞き、対象事業の必要性などをを多数決で判定する「県民判定人」方式を都道府県レベルで初めて導入し、3日間の対象事業は計50事業。判定結果について阿部知事は「今後の県政や来年度予算編成に反映させる」としている。

 県伊那合庁などで行われた初日のうち、定時制高校に通う生徒の教科書購入と夜食費を補助する高校定時制過程教科書購入費補助事業(2010年度決算590万円)と夜間定時制高校給食費(同1100万円)は「現行通り・拡充」と判定された。

  所管の県教育委員会は「複雑な家庭環境で親が学費を出してくれないケースもある」と説明。仕分け人からは「等しく学べる権利を保障すべき」「子どもにかかわることは、減額よりも投資すべき。貧困は連鎖する」などとして補助の拡充を求める声が相次いだ。一方、教科書に関しては「半額なりの負担がないと、自ら進んで学ぶことにならないのでは」との指摘もあった。

 建設部の「信州型エコ住宅・環の住まい整備推進事業」(同1億5900万円)は「要改善」と判定された。県産材の利用や一定の省エネ環境性能を備えた木造住宅を認定し、新築などは100万円、リフォームに最大40万円を助成するものだが、仕分け人からは「何のために行うのかが分かりにくい」旨の意見が多数挙がった。

 交付件数の上限や個人への助成などを踏まえ「税の公平性」も論点の一つになった。仕分け人らは「もらえる人、もらえない人が出てしまうのはよくない」「基準を満たすフルスペックの住宅を造ることができるのは富裕層だけでは」と問題提起。「金額を下げてでも、より多くの県民に助成できるようにすべき」「個人にお金が渡る施策は特に平等感ある制度設計が大切」などと提言した。

 林務部の県産木材の活用促進事業を挙げ「同じような助成を二重にやっていて、見方によっては無駄遣い。部局の縦割りの弊害」との指摘も。県側は環境に配慮した「住宅」に特化している点で理解を求めたが、仕分け人からは「目的が多岐にわたるため、何をもって成果とするかが難しい」とされた。

 県庁で実施された2日目でも「何のため、誰のため」など事業の「そもそも論」をはじめ、事業目的の明確化や戦略の適切性などをめぐり、活発な議論が繰り広げられた。

 商工労働部の「コンビニ内長野県アンテナショップ開設・運営事業」(同770万円)、観光部の「東京観光情報センター運営費」(同6530万円)はいずれも「要改善」とされ「意義や成果がはっきり見えてこない」など厳しい指摘も目立った。

 東京都の銀座に設けたアンテナショップについては、県職員が「県産品コーナーをきっかけに長野に思いをはせて、足を運んでもらいたい」と狙いの一端を説明したが、仕分け人は「コンビニの利用客がじっくりと見て、実際に長野に訪れているのか」と疑問視。県民判定人17人のうち11人の判定で「要改善」となったが、「不要」が5人、「抜本的見直し」も3人あり、必要性の再考を促す判定となった。

 無作為抽出の県民判定人を引き受けた岡谷市の女性(68)は「東日本大震災の発生後、地域の問題に関心を寄せなければならないと感じていた。様々な議論を聞いて判定するのは難しいが、県の施策への理解を深めるいい機会」と話していた。

  

関連の注目記事

powered by weblio


  

こちらの記事もどうぞ(広告を含む)

     







記事の検索はこちらから
















スポンサーリンク


南信州電子版購読

ふるさと納税でもらえる 南信州新聞 ふるさと納税でもらえる 南信州新聞