経済財政改革委が飯田を視察

政治・行政

[ 2016年 6月 27日 月曜日 9時15分 ]

 政府の経済財政諮問会議の専門調査会にあたる「経済・財政一体改革推進委員会」の委員らが19、20の両日、各種の行政課題に対する飯田市の「先進・優良事例」の視察に訪れた。住民出資の社会福祉法人「千代しゃくなげの会」の取り組みや菱田春草生誕地公園の整備、おひさま進歩エネルギーによるエネルギー自治など、住民・民間主体の「ボトムアップ」事例をはじめ、産業・医療分野の連携方策などを把握した。

 委員や内閣府幹部ら十数人が訪れ、同委員を務める牧野光朗市長や関係者らが案内した。視察後の取材に、日本総合研究所理事長の高橋進委員は「飯田のような取り組みが全国に浸透すれば日本は必ず良い国になる」と高く評価し「委員会として、先進・優良事例を強力に横展開していくための方策を練っていく」と話した。

 千代しゃくなげの会は地元の千代・千栄保育園の民営化対応を機に、2005年に地区内全戸などが出資し設立。「地域の子どもやお年寄りは地域で守り育てる」を基本理念に11年にはデイサービスセンターも開いた。視察では、長時間保育や未満児保育など地域ニーズに迅速に対応してきた経緯を報告。世代間交流の促進など地域の活性に寄与する現状も示した。

 地域医療については、飯伊地区包括医療協議会の医師らが説明した。行政を含む関係機関・団体が連携し、限られた医療資源を有効に活用するための救急医療・産科医療体制などの構築、ICT(情報通信技術)を活用した診療情報連携システム「イズムリンク」や地域包括ケアシステムの取り組み、終末期の希望を記す飯田医師会の「事前指示書」などを伝えた。

 委員らは、南信州・飯田産業センターで、LED防犯灯プロジェクトや航空宇宙産業クラスターなど地域企業間の協力風土を把握。菱田春草生誕地公園では、橋北地区の市民活動に端を発し、市もパートナーシップ協定を結んで整備に協力したボトムアップ型の地域づくりや自治の姿に触れた。初日夜は農家民泊先で体験教育旅行の取り組みを聞いた。

 同委員会はボトムアップ改革の推進や「見える化」に力を入れる。視察後に高橋委員は「訪問の先々で、全てを行政に頼るのではなく、まずは『自分たちでどうするか』の姿勢を強く感じた」と感想を述べ「先進・優良事例をいかに全国へ横展開できるかが重要で、飯田にも学びながらノウハウの研究を進めたい」とした。

 牧野市長は「当地域の特長を理解していただけたことは、双方にとって非常に有意義。(自らも委員として)財政の健全化、地域自治の推進などに寄与できれば」と話した。

  

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