18日に投開票された飯田市長選で新人候補に敗れ、任期が満了する牧野光朗市長(59)の退任式が27日、市役所であった。4期16年にわたって市政のかじ取り役を務めた牧野市長は、職員のこれまでの支えに感謝した上で「人と人とのつながりを大切にし、市民に頼られる飯田市の職員であり続けてほしい」と願った。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う地域の状況を「大嵐」と捉え、「コロナ禍でいかに地域の経済を立て直すか、何よりも市民の命と暮らしを守るためにどう仕事をするか。それぞれの立場でしっかり考えてほしい」と呼び掛けた。
今後については「地域に戻って一住民として皆さんの活躍を見守りたい。手伝うことがあれば喜んでさせていただく」と語った。職員から花束を手渡されると、笑顔で受け取った。
職員を代表し、あいさつに立った木下悦夫副市長は「危機に強い飯田市をつくり、『誰一人取り残さない』というぶれない姿勢で取り組み、その足跡は継承されていく」と述べ、教育や福祉、市立病院の改革のほかリニア中央新幹線、三遠南信道に絡めた取り組みを「牧野市政の大きな成果」と指摘した。
退庁時には大勢の職員や支持者らが花道をつくり、感謝や惜別の言葉を掛けた。車に乗り込んだ牧野市長は「ありがとう」と手を振って応えていた。
佐藤健新市長は28日に初登庁する。
◎写真説明:花束を手に退庁する牧野市長