阿部知事と飯伊14市町村長が意見交換会

政治・行政

[ 2012年 5月 17日 木曜日 9時02分 ]

 阿部守一知事と飯田下伊那の14市町村長との意見交換会が15日、飯田市追手町の県飯田合同庁舎であり、県が策定を進める新たな総合5カ年計画(2013―17年度)への要望や地域の重点課題などを出し合った。飯伊の首長たちからは、人口の減少が進む中山間地の現状や展望を踏まえ、将来を担う人材の育成や教育の充実、産業振興を求める意見が相次いだ。リニア中央新幹線や三遠南信自動車道の開通を見据えた道路インフラ網の整備なども要望に挙がった。

 阿部知事は「総合計画は県民と目標を共有し、本気になって取り組める存在感のあるものとしたい」とあいさつ。「飯伊はリニア整備が具体化し、最も大きく変化する地域」ととらえ「中山間地の方向性を打ち出す計画を策定することができれば、その意義は大きい。時代の変化に対応した『ゆとりのライフスタイル』のあり方についても、先行的に当てはめて考えてほしい」と話した。

 阿智村の岡庭一雄村長は「持続可能な地域づくりに向けた最大の課題は人材、担い手の確保。生み出す力の枯渇を危ぐしている」と強調。県短期大学の4年制化に向けた検討とも絡めて「飯伊にリニア時代を見越した4年制大学の学部を一つ二つつくるべき」と提案した。地元への就職が多い地域高校の重要性も伝え「地域の働き手となる生徒たちへのキャリア教育の充実も大切」と求めた。

 売木村の松村増登村長も「自宅から通える大学があれば、家業などを手伝いながら、地域の技や知恵を受け継ぐこともできる」と呼応。教育分野では、小中学校に続いての高校の30人学級化、複式学級などへの教員の加配への配慮を求める意見もあった。

 リニア関連のうち、豊丘村の下平喜隆村長は広域的な波及効果の視点を求め「ハードの充実も必要。国道のバイパス化なりで北からも南からも中間駅へのアクセスを良いものにすべき」と意見。大鹿村の柳島貞康村長は「南アルプスは観光面の大きなポテンシャルを秘めている。注目すべき」と述べた。

 下條村の伊藤喜平村長は、新5カ年計画の大綱素案の長期目標にもある「確かな暮らし」について「実現には財源が不可欠」と指摘し、方策の一例に観光施策の強化を挙げた。今春の三遠南信道や新東名高速道の部分開通を踏まえ「劇的に(静岡や愛知からの)人の流れが変わるはず。圏域人口は250万人とも言われる。身近な交流を大事にすべき」と県の協力を願った。

 飯田市の牧野光朗市長も「5カ年計画では、食べていくための産業のあり方をもう少し打ち出してほしい」と注文。「中山間地域で雇用や経済が回る仕組みが重要だが、基礎自治体だけで考えるのは難しい」と述べ、県に産業育成に対する姿勢を明確にするよう求めた。

 「豊かな自然が信州の宝。里山整備をもっと全県的に力を入れるべき」(大平利次喬木村長)など、農林業の振興を含む国土の保全を課題に挙げる首長や、計画の基本目標のテーマの一つに見込む「世界一の健康長寿」に関連して、医師の確保や医療体制の充実を望む声も複数あった。

  

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