飯田市が自然エネルギービジネスセミナー開く

政治・行政

[ 2012年 8月 6日 月曜日 14時19分 ]

 飯田市は3日、再生可能エネルギーの普及に向けて7月1日から固定価格買取制度がスタートしたのを記念し「地域で取り組もう!自然エネルギービジネス!」と題したセミナーを、上郷別府の南信州・飯田産業センターで開いた。建設業や工業界、金融機関、一般市民ら約130人が参加。経済産業省資源エネルギー庁の新エネルギー対策課長の基調講演、再生可能エネルギー固定価格買取制度を先取りした地域の取り組みの事例報告に熱心に耳を傾けた。

 冒頭、牧野光朗市長は「再生可能エネルギー固定価格買取制度の施行は、環境モデル都市に指定されている飯田市にとって大きな追い風。環境と経済が循環する地域エネルギーのモデルを構築してきており、今後さらに全国に発信していきたい。これまでの地域の取り組みと買取制度を確認し、これからの地域の取り組みが一層進むよう尽力を」とあいさつした。

 おひさま進歩エネルギーの原亮弘代表取締役が市民協働で取り組む屋根貸し太陽光発電事業の現状と可能性、南信州・飯田産業センターの環境産業支援コーディネーターが地元工業界と協働して取り組むマイクロ小水力発電機の開発と普及の展望、飯田市地球温暖化対策課の地域エネルギー担当専門主査が「地域エネルギービジネスにおける地方自治体の立ち位置」についてそれぞれ事例報告を行った。

 この中で、環境産業支援コーディネーターはマイクロ水力発電について「ひと昔前は、薪や木炭、水力など地域に普遍的に存在する資源を使って、生活者自身がエネルギーを生産し消費していた。マイクロ水力発電は発電価値をほとんど持ち合わせていなかったが、ロウテク技術とハイテク技術のコラボと再エネ買取制度が追い風となって普及を進める仕組みが出来上がりつつある。普及を進ませるのは、消費者が再エネで足りるライフスタイルに変更できるかがカギ」との認識を示した。

 また、飯田地域の状況について「エネルギーを生み出す河川が豊富に存在する(116カ所、合計出力235キロワット)。地産地消エネルギーに期待する地域住民の声が大きくなってきており、千代や松尾、上郷、泰阜で準備を進めている。豊富な流水を効果的に電気エネルギーに変換するものづくり技術の高い企業が地域に集積している」と説明。「機器の設計や設置工事、メンテナンスも小回りが利く地元企業が活躍できる」と強調した。

 飯田市地球温暖化対策課の専門主査は、全量売電型の小水力発電のモデル構築に向けて、上村の小沢川での実証実験により20年間で6億円の収入、建設費2億3000万円でシュミレーションできるので事業が成り立つ、と説明。次の課題として「収益をどこへ再投資するか」とし、「どういう事業体がいいか調整している。50年単位でもつことができ、過疎地の事業モデルを構築していきたい」と述べた。

 再生可能エネルギーを巡る現状と課題について基調講演した新エネルギー対策課長は「大型ダムなど水力発電を除く狭義の再生可能エネルギーは日本の電力の約1%程度(2010年)しかない。コスト高が課題で、市場原理にまかせていたら全く普及しない。強力な仕組みが必要なため、固定価格買取制度を導入した」と説明。

 調達価格・調達期間について「通常要する費用に、適正な利潤を勘案する形で決定した。法は最初3年間を集中導入期間と位置づけ、利潤に特に配慮するよう規定。これを踏まえ、IRR(内部利益率)を1~2%上乗せした水準となるよう調達価格が決定されている」と述べ、3年間の時限措置のチャンスを生かすよう強調した。

  

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