飯田市議会は25日夜、西部ブロック(伊賀良・山本・三穂)を対象に議会報告会を伊賀良公民館で開いた。まちづくり委員会の役員など住民約60人が参加。4つの分科会のうち社会委員会分科会は「共に支え合う地域福祉の推進」について意見交換した。
冒頭、木下克志委員長はテーマの背景について「高齢化や過疎化の進行により、地域の自治が維持できなくなる恐れがある。助け合いの気持ちが薄れつつあり、自殺や孤独死など友人や地域との関わりを持たない人が多くなっている。安心して地域で日常生活を送るため、お互いに何をすべきか考えていきたい。東日本大震災の状況を踏まえて、非常時における地域福祉をあらためて見直す必要もある」と説明した。
出席者からは「買い物難民が増えている。特に山本箱川、久米はバスも通っておらず、お年寄りが多い。買い物や医療を受けるためにタクシーを使う。1回行くと1万円近くかかる」と切実な声が出た。議会側は「各地域が買い物難民、ごみ出し難民の問題で苦悩している。軒先から軒先へは行けないので工夫せねばならない。各地区に共通する課題と受け止めており、持ち帰って政策提言にむすびつけたい」と答えた。
高齢者の健康づくりのためマレットゴルフのボランティアに対する活動費補助の提案も。議会側は「高齢者クラブがあるので利用して行うことが大事。高齢者クラブ育成支援事業がある」と説明した。「独居老人12人が集まって家族をつくったらどうか。3分の1ずつ介護の必要な人、介護を支援する人、送迎や買い物、ごみ出しなどをする人といったしくみができないか。ボランティアにも参加せず認知症になって面倒をみてもらうのはとんでもない話」との意見も。議会側は「参考にする」とした。
このほか「認知症のグループホームをつくってもらいたい」の意見には「民間事業者が手を挙げてくれればいつでも開設できるが、スタッフが集まらない。認知症のグループホームがもう少しほしいという意見は多い」と説明。
「要介護などの個人情報を助け合いマップに載せてもらっては困るという人もいて支障を来している」「マップを作ったが、管理し切れない。地図に頼るより小単位の隣組の人のつながりに対する意識改革が必要という意向が強くなっている」「マップを作ってもみんなで共有しないと活用できない」といった声もあった。