飯田市議会(林幸次議長)は26日、9月定例会の閉会を受けての議長記者会見を市役所で開いた。正副議長や常任委員長らが出席し、定例会最終日に牧野光朗市長に提出した「議会による行政評価と提言」を説明。今後も行政の監視機能を発揮していく姿勢を伝え、市側には改善提言も生かして市民サービスのさらなる向上に努めるよう求めた。
提言の中で「施設利用の方向性が明確にならない」として、唯一「廃止」とした「天龍峡温泉交流館」(同市川路)の管理事業について、吉川秋利産業建設委員長は「(改善提言など)過去の経緯もあり、一区切りした方が良いと判断した。市の事務事業としては廃止だが、地元が有効に利用していくのであれば支援をしていく」と話した。
「やり方改善」と判断した18事業のうち、旧酒蔵「愛宕蔵」(同市愛宕町)の保存活用事業については、井坪隆社会文教委員長が「どう活用されているか、まったく分からない」と厳しく指摘。所有者が市に「無償譲渡」した経緯を鑑みて、今回は改善にとどめたというが「活用方法の推進が見られていない事業として、注視していく」との構えを見せた。
この他、清水勇総務委員長は「職員の事務ミスへの対応における研修の工夫と充実を図られたい」などの意見を盛り、改善を求めた「職員研修事業」に関して「(発生事案の)内容を深く確認して対応すべき。繰り返し起こさないためのマニュアル作りも必要ではないか」と提案した。
行政評価と提言は2008年度に始まり、本年度が6回目となる。林議長は「執行機関に対する監視機能を発揮せねばならない」と議会の責務を強調。市側には「提言内容を新年度予算編成などに反映させ、さらなる市民サービスの向上を図ってほしい」と期待を込めた。