総務省過疎対策室長が講演 「ネットワーク化で集落維持を」

政治・行政

[ 2015年 1月 17日 土曜日 10時29分 ]

 総務省地域力創造グループ過疎対策室長の斉藤秀生さんが15日、泰阜村役場で過疎対策の現状と対策について講演した。飯田下伊那の9市町村から首長や職員、まちづくり委員会、議員など約90人が出席。来年度予算案が14日に閣議決定され、新たな過疎対策関連の交付金予算案も示されるなか、斉藤室長は「集落ネットワーク圏」形成の必要性と支援事業などについて説明。意見交換では集落の巡回、状況把握などを行う集落支援員や、地域おこし協力隊について質問が出た。

 講演は、同村の松島貞治村長が昨年三重県で開かれた全国過疎問題シンポジウムに出席した際、斉藤室長と面識を持ったことがきっかけで実現。広く参加を呼び掛けた。

 斉藤室長は、全国1700余の市町村のうち4割超が過疎地域に該当するとした上で、ハード中心の過疎対策から地域主体、いわゆるソフト主体の過疎対策の重要性を指摘。ソフト事業に事業債を活用できるようになった点について「画期的なこと」と強調した。

 過疎債は自立促進を目的とした事業を広く対象にし、発行額は2010年の約380億円から13年は約620億円に増額。13年は約770億円に上るとした。秋田県美郷町の予約制乗り合いタクシーや北海道標津町の移動販売サービス事業などを事例として挙げ、「地域の課題はさまざまだが、アプローチの仕方もそれぞれある。制度や財源を用意し、応援したい」と述べた。

 また「単体集落では課題の解決が困難」として集落ネットワーク圏の形成に向けた取り組みも紹介。それらを支える中心的な地域コミュニティー組織体制の確立や、NPOや大学などネットワーク圏外の団体と連携しながら「集約とネットワーク化を図りながら総合的な活性化プランを作成し、日常生活支援機能を確保するとともに、地域産業の振興も進めなければならない」と訴えた。

 意見交換では、総務省が地方自治体に対して一人当たり350万円を上限に交付する「集落支援員」について、「行った事業の評価から交付されるのか」の質問があった。斉藤室長は「任命した時点で交付される」とし、「この対策は過疎地域に所在する集落や高齢者比率が一定以上の集落など特定の集落に限定していない」と加えた。

 地域おこし協力隊関連では「それぞれに村営住宅を用意しているが、シェアハウス的なものを建設した場合の経費は、住宅過疎債の対象になるか」の問いには、過疎債の概要で示される施設に限定されるとした上で「過疎債のソフト事業に当てはめれば、環境整備などで対象になる可能性はある」とした。

 松島村長は「予算編成直後で新しい事例も示され、勉強になった。厳しい山村の実情を知った人が霞ケ関で働いていてくれることは心強い」と話した。

  

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