人形劇のまち40年⑤ 「飯伊の仲間と作り続けたい」 沢則行さん

連載

[ 2018年 7月 31日 火曜日 15時38分 ]

巨大人形劇「さんしょううお」監督を務める

 北海道小樽市に生まれ、国内の人形劇団などで経験を積んだ後、1992年に文化庁在外研修員として人形劇の本場・チェコへ。以後、世界20カ国以上で公演を行うほか、教育現場での講座やワークショップを指導してきた。

 飯田では20年以上前から公演やワークショップを実施。近年は、子どもたちと大きな人形を作って「いいだ人形劇フェスタ」で発表したり、60歳以上を対象に演劇や仮面、影絵、音楽など多彩な表現が複合したヨーロッパの人形劇の手法「フィギュア・シアタ」に取り組むワークショップを開いた。

 監督を務める巨大人形劇「さんしょううお」は2014年度に舞台・人形美術のデザインを学ぶワークショップを実施した際、参加者の後藤康介さん(36)=飯田市上郷黒田=が提案して始まったプロジェクトだ。

 15年度からスタッフ・出演者を募り、デモ公演を経て昨年、フェスタで完成版を発表。完成までに、飯田下伊那地域のアマチュアを中心に約80人が作品に携わった。

 プロジェクト終了後、参加者が自主上演を目指してクラウドファンディングなどで支援を募り、ことしのフェスタでの再上演にこぎ着けた。「再演できるのはありがたいこと。一般の皆さんから支援をもらって上演するのだから、さらにいいものにしたい」とする。

 「この作品で学んだ技術や経験は、芝居作りを続けることで生かすのがいい。皆アマチュアで仕事や家庭があって大変だと思うが、一度休んでもまた戻って取り組めるような仕組みがあれば。飯伊の仲間と人形劇を続けたい。そのためのチャンスはできる限り持ってきたい」

 飯田を舞台に作品を作るとしたら―。約1500年前、北海道に存在したオホーツク人をテーマに制作した「OKHOTSK(オホーツク)―終わりの楽園―」に絡め、ほぼ同時代に飯田で盛んに行われていた馬の生産に注目している。

 「飯田は東西の交通の要衝で、軍事や輸送手段として重要だった馬を生産していた。地域で学術的な研究もかなり進められている。『オホーツク』のように、飯田で馬を生産していた人たちをテーマに劇を作ってみては」と語る。

 「オホーツク」制作の過程で関わったオホーツク文化の研究者と飯田の研究者との対談も提案し「それぞれの作品を上演したりして、考古学と人形劇を融合させたイベントができたら面白い」と話していた。
(おわり)

  

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