実践働き方改革9 飯田病院 仕事と家庭両立できる職場目指して

連載

[ 2018年 5月 11日 金曜日 19時02分 ]

働きやすい職場づくりを目指す取り組みが進んでいる

 一般病床と精神病床を合わせ約450床の規模で運営されている飯田市大通の飯田病院は、2010年から看護師を対象に「短時間正規職員制度」を導入し、子育てや介護に従事する従業員が希望の時間内で勤務できる体制を整えた。最低勤務時間は週20時間と通常の半分で、女性が仕事と家庭生活を両立できるよう働きやすい職場づくりを推進している。

 同病院では、看護師などを中心とする女性従業員が全体の7割にあたる約600人が働く。07年から一般病棟で患者7人に対し、看護師1人の看護体制の充実を図ったものの、看護師不足の課題に直面。子育てしながらのフルタイム労働が厳しさを増し、離職の原因につながった。

 そこで導入した「短時間正規職員制度」は育児休業後の看護師が、子どもの成長に合わせて勤務時間を変更できる。このほか夜勤免除制度や4歳未満の保育料を半額補助し、長時間保育費用を全額補助するなどの独自支援も展開。現在約30人が利用している。

 同病院に勤務して14年になる女性(38)は、これまで2度育児休業を取得し、職場復帰のときに短時間勤務制度を活用した。「仕事も大切だけど母親としての子育ても大事。職場の理解があって、辞めることなくゆとりを持って生活できた」と振り返り、「他のスタッフへの負担もあった。次は私がカバーしていきたい」と話す。

 女性管理職が6割を超える同病院では、認定看護師や診療情報管理士などの資格取得費用の半額を助成する制度や、飯田下伊那地域の8病院で連携を図り、再就職支援研修を実施するなど女性の能力活用、職域拡大にも注力する。「地方での看護師確保はなかなか厳しいものがある」。中田茂財務人事部長は都会の病院などへの人材の流出を防ぐため、経費はかさんでも「さまざまな工夫を凝らして確保している」と語る。

 飯田女子短期大看護科学生への育英資金もその一つ。3年間で180万円を補助するなどし、これが毎年平均十数人の卒業生の確保につながるという。「人材確保、キャリアアップを支援し、地域に安心安全の医療を提供していきたい」と中田人事部長は話している。

 労働力の減少は働き方改革への取り組みを余儀なくさせている。取り巻く環境が刻々と変わる中、多様な人材の確保と活躍を目指し、柔軟に働くことができる基盤づくりが求められている。

(おわり)

  

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