連載・実践働き方改革3 農業、収益性高め空き時間

連載

[ 2018年 3月 19日 月曜日 15時02分 ]

育苗状況を確認する木下さん

 家族経営を主軸とする南信州の農業の現場でも、「働き方改革」を考えている人がいる。

 飯田市鼎下山で複合農業を営む木下周次さん(52)。8年前に脱サラし、家業を継いだIターン就農者だ。

 昨年、市内の女性と結婚。1月に長男が生まれたことで、労働時間に対する考え方が変わった。

 母と妻と3人の家族経営で、トマトやキュウリ、市田柿を中心に栽培。結婚前は休みなく生産活動に注力してきた。

 「サラリーマン時代と違い、農家は意識しなければ休むことができない。家族が増え、初めて自分の働き方を見つめ直そうと思った」。

 自然に左右される自営業。収入を安定させるには売り上げの維持が求められる。また、種をまけば、収穫まで面倒を見続けなければならない。

 そんな状況下で着目したのが収益性だ。量から質を重視する品目を増やし、付加価値で売り上げを維持しつつ、全体的な生産量を減らして空き時間をつくるという考え。「品目を減らすことができれば、自ずと子どもと関わる時間を増やすことができる」と、実践を模索している。

 子どもが成長した時、農業が楽しい仕事に映るような「働き方」を見せたい。

 遊休農地の活用を探る有志団体の隊長を務めるなど、地域活動にも積極的。ならではか、「働き方改革は仕事と生活のバランスというけれど、飯伊では地域活動の時間も考慮しなければいけない」と話している。

 農林水産省の有識者会議「働き方改革」検討会が、経営や作業管理へのIT導入、短時間勤務・介護休暇制度の充実などについて模索を始めた。具体像はまだ見えていない。動きを飯伊の家族経営者たちにも広げることができるか―。

(つづく)

  

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