「埋もれてどうしようもない」 南信濃小道木地区で家屋半壊

社会

[ 2010年 7月 17日 土曜日 13時46分 ]

 梅雨前線による大雨で一時2000人近くが孤立した飯田市の南信濃・上村地区や天龍村では、16日も土砂に埋もれた道路や民家の復旧作業が行われている。中心市街地と遠山郷を結ぶ国道152号線は、同日正午ごろまでに復旧作業を終えて開通し、夕方から路線バスや乗り合いタクシーの運行も再開した。一方、土砂によって家屋を被災した住民たちは、片付けにも着手できず、途方に暮れている。

 裏山が崩れ、大量の土砂が3件の民家に押し寄せた南信濃木沢の小道木地区。16日も市などが被災地の状況確認を行い、一部の道路などで土砂の除去作業を進めた。

 土砂で1階部分が埋まった山崎勅雄さん(59)方では、近くの親戚に身を寄せた山崎さんが、家内から写真や絵画などを運び出した。

 大量の土砂で覆われ、片付けにも着手できない状況。唯一できたことがそれだった。

 「すべてが埋まってしまい、どうしようもない」。

 14日夕、避難先から戻っては、少しずつ土砂に埋もれていく自宅の様子を直視した。

 「日が経つにつれて気持ちは落ち着いて来たが、先のことはまたく考えられない」と肩を落とした。

 数十メートル下部にある山崎訓聖さん(48)方も、2棟の離れが土砂に埋もれた。両棟が土砂を食い止め、本宅は大きな被害をまぬがれたが、作業小屋や自動車も埋もれた。

 14日の午後4時ごろ、上部で大量の流水を見つけた知人が避難を呼び掛け、母親と二人で逃げ出した。30分後、自宅に戻ると土砂に埋もれていた。

 「あのまま家にいたかと思うと怖くなる。命が助かったのは不幸中の幸いだった」と訓聖さん。「こんなことははじめて。ショックで立ち直れない」と母親(73)は涙を浮かべた。

 市などの調査が終わりしだい、今後について考えるが、「生まれ育った場所だが、また崩れる可能性があるかと思うと、不安で暮らせないかもしれない。途方に暮れるばかりだ」と訓聖さんは話した。

  

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