「社会全体の理解が必要」重症心身障害児者フォーラム

社会

[ 2009年 10月 28日 水曜日 15時22分 ]

 特定非営利活動法人「飯伊圏域障害者総合支援センター」(原正光所長)=事務局・飯田市東栄町、さんとぴあ飯田=は26日、市立病院2階講堂で「重症心身障がい児者フォーラム」を開いた。当圏域で生活している重症心身障害児者に対する理解と地域生活支援のためのネットワークづくりを進めるため、飯伊地域に重症心身障害児者の医療的ケア付の専門施設の設置を目指している。

 同フォーラムは4年前から市立病院小児科の長沼邦明診療部長の指導を得ながら、圏域内の郡市の福祉事務所、飯田市の療育センターひまわりが中心になって行ってきた。療育センターひまわりも一緒に総合支援センターとして相談支援事業を実施してきた中で、昨年から総合支援センターが主催し開いている。

 フォーラムには、県内各地から約80人が参加。原所長は「昨年は大変反響があった。ようやく冊子をまとめたが、心が熱くなる思いがこもっている。ことしは市から委託を受け全家庭の訪問を始めている。結果をきちっとした形でまとめたい。重い障害をもつ人の状態に合わせた形の自立を考えたい。障害の重さが自立の障害になっているとしたら、不安感を取り除くにはどうしたらいいかをテーマの出発点としていただきたい」とあいさつした。

 同センターによると、飯伊地域の重症心身障害児者は3月末で子どもが18人、大人が53人の計71人。このうち51人が自宅、16人が施設で生活し、4人が入院している。市町村別では、飯田市が子ども7人、大人26人の計33人いるが、生活の場所は32人が自宅で、施設は1人だけ。高森町は子ども4人、大人8人の計12人いるが、自宅が6人、施設が2人、入院が4人。喬木村は大人8人いるが、施設が5人、自宅が3人。松川町は大人4人いるが、全員施設。豊丘村は子ども4人いるが、全員自宅。阿南町は子ども1人、大人2人の計3人いるが、施設が2人、自宅が1人。阿智村は大人3人いるが、全員自宅。根羽村は子ども1人、大人2人いるが、施設が2人、自宅が1人、下條村は子どもが1人いるが、自宅で生活している。

 家庭訪問の報告によると、家族の要望で共通しているのは「安心して過ごせる場所」で、最大のポイントは「医療的ケアが行える場所」だという。このほか「体調の良いときは、たくさんの人とかかわりをもってほしい」「窓口となって総合的に対応してくれる人、医療と施設と本人との連絡調整をしてくれる人がいてほしい」「夜間に預けられる場所があると助かる。自治体による情報提供のばらつきがある」などの要望が報告された。

 重症心身障害児者の自立を考える討論会で、上小圏域障害者総合支援センターの唐木昭所長は「報告を聞いて自宅で暮らす人が多いと感じた。緊急に取り組むべき課題は日中活動、医療的ケア、ショートステイ。最優先で取り組むべき課題は日中活動」と指摘。

 長沼医師は「フォーラムも4年になるが、あまり動いていない。昨年は再度調査をして出した。ことしはあまり進展がないと思ったが、気持ちの中ではこれまで以上の変化があった」と発言。子どものホスピス「ヘレン&ダグラスハウス」交流セミナー参加報告の最後に「これまでの主に行政に対して訴える取り組みだけでなく、社会全体に対しても働きかけを行い、理解を得ていく必要もある」と強調した。

  

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