エコハウス建設見学会と講演会

社会

[ 2010年 3月 6日 土曜日 8時42分 ]

 飯田市が本町2丁目のりんご並木沿いに建設中の「21世紀環境共生型モデル住宅(エコモデルハウス)」を活用し、エコハウスの普及を目指す「信州飯田エコハウス推進地域協議会」(会長・林和弘飯伊森林組合長)の設立総会が4日、りんご庁舎であった。これに先立ち、設立記念事業として、一般を対象とした建設見学会と講演会を実施し、約60人が参加した。

 市は昨年1月、全国13カ所の環境モデル都市に認定され、その事業の一環として、環境省の全額補助(約5000万円)を受け全国20カ所のエコモデルハウスを今月中に竣工、4月オープンを目指している。施設の指定管理者には、環境配慮型まちづくりと中心市街地活性化に実績のある飯田まちづくりカンパニーを公募により選定。議会の議決を得て指定するため今定例会に関連議案を提出している。

 エコハウス普及の拠点となるエコモデルハウスの設計者選定にあたっては、プロポーザル審査を公開で行い、参加11業者の中から一級建築士の新井優さんが選ばれた。この日の見学会で新井さんは「高い断熱機密性に加え、熱の時間的移動としての蓄熱方法に工夫を凝らした。夏と冬、昼と夜、在宅と不在時の自然エネルギー利用のモードの切り替えを人が手をかけ操作することによって、住み良い環境を自分で考え創り出すことを念頭に置いた」と説明した。

 見学会に参加した橋南まちづくり委員会の加藤尚弘会長は「熱を保存するため換気孔がない。シロアリにはヒノキの土台が効果あることなど勉強になった。普及を目的にするのなら壁の断熱材の入れ方を模型で展示して見えるようにしてほしい」、省エネ住宅研究会の桜井善実さんは「温暖な南信の飯田地方にとって高断熱のエコ住宅を建設するということは北信地方とは違って目新しいことだと思う。厚い壁、厚い断熱材は世界の標準であり、エコハウス普及の基準になり得る」とそれぞれ感想を語った。

 専門家の目線で公開レビュー(評価)を行った建築家の野沢正光さんは「様々な工夫を散りばめている。住みながら手をかけていくところが面白い。ノウハウもかなりレベルが高い。熱交換型の換気扇も取り入れながら、伝統的軸組により質の高い設計となっている。エネルギーの使用量も少なく、出来上がった後の検証が楽しみ」とコメント。講演の中でも「飯田の実験は相当大きな力を持つ」と評価した。

 環境省から事業の進行管理の委託を受けた日本建築家協会の地域窓口を務める松下重雄さんは「リニアが来た時に美しいまち飯田が用意できてよかったと思えるよう、みんなで協力し合ってそういうまちを用意していけたらいい。快適な家は環境にいい。そのような美しいまちが実現することを教えていただいた」とお礼を述べた。

 設立総会で松下さんは「完成までもうちょっとのところまで来た。建物の次は運用の話になる。エコハウスの普及啓発が大事。形はできたが命を吹き込んだり成果を上げていかなければならない」と強調。規約と組織の承認に続いて、選出された林会長は「地域材を使った家づくりを発信していきたい」とあいさつした。このほか、副会長に大蔵実(伊那谷の森で家をつくる会)、新井優(エコハウス設計者)、事務局に原亮弘(NPO南信州おひさま進歩)の各氏を選出した。

  

関連の注目記事

powered by weblio