飯田市吾妻町のロータリー交差点(ラウンドアバウト)で11月7日から1月12日まで社会実験を行っている国際交通安全学会と市は2日、現地視察と研究会を市公民館で開き、社会実験の内容確認と意見交換を行った。1日には地元橋北・東野地区の住民との意見交換会も東野自治会館で開いている。
2年目となることしの社会実験は、横断歩道部に太陽光発電を利用した発光鋲(びょう)を設置。センサーが歩行者を感知すると、路面に埋め込んだ発光鋲が点滅し、ドライバーと歩行者に注意を促す。発光鋲の設置によって、接近車両の速度や横断歩行者の安全確認の動作がどう変化するか観測。発光鋲の点灯のタイミングや間隔、照度などの各種設定による視認性や施設自体の耐久性を検証するほか、利用者へのアンケート調査も行う。
現地視察と研究会には、県飯田建設事務所と飯田市建設部の職員も含め50人が参加。研究会のプロジェクトリーダーを務める名古屋大学大学院工学研究科の中村英樹教授は「安全でエコなラウンドアバウトを日本でも普及させていきたい。経験や実績がないと難しいので、社会実験を通して実用性、安全性のデータを集めて進んでいきたい。吾妻町以外でのラウンドアバウト化の可能性についても検討、議論したい。東日本大震災の被災地の方々から平時においてもラウンドアバウトを導入してほしいという要望がある」と説明した。
飯田市は来年度からスタートする5カ年の第5次基本構想後期基本計画で「桜並木整備事業」を重点事業の一つに想定している。老朽化した桜並木を整備するため、先ず特殊な形状の吾妻町ロータリーの交差点協議を、昨年度の社会実験を踏まえて県公安委員会と行い、より安全な交差点改良を実施。地元と検討委員会を設置して桜並木の整備計画についても検討を始めている。今年度中にも桜並木の整備計画案を策定し次のステップに移ることになる。