中型獣被害防止対策講習会

社会

[ 2011年 8月 12日 金曜日 9時49分 ]

 ハクビシンなどによる農作物被害が増えていることを受け、下伊那地方事務所など県の現地機関でつくる飯伊野生鳥獣被害対策チームは10日、中型獣被害防止対策講習会を高森町福祉センターで開いた。農家らが研究者や県職員から生態や被害事例などを把握し、電気柵設置などの対策を学んだ。

 県の同対策実践モデル事業の指定地区として、本年度にブドウ農園で対策を進める同町山吹竜口地区の住民をはじめ、広く一般にも参加を呼び掛けたところ、飯伊の広域から約60人が足を運んだ。

 県農業試験場によると、飯伊のハクビシンによる農作物被害は2009年度に約240ヘクタールで905万円あり、県内広域圏別で長野に続いて多い。被害額は07年度764万円、08年度864万円と増加傾向にある。トウモロコシやブドウ、イチゴなど甘みのある果実の食害が目立つという。

 研修会でNPO法人生物多様性研究所「あーすわーむ」の福江佑子主任研究員はハクビシンの特徴として、木登りで繁殖能力が高い点を強調。1982(昭和57)年時は飯伊を中心に南信に生息分布が偏っていたが、現在は県内のほぼ全域に拡大しているという。

 早期の防除対策の必要性を説く中では「約30年前にできていれば違う状況になっていたはず」と指摘。現在、競争力が強いアライグマが同様の流れにあるといい「ハクビシンと同じてつを踏まないためにもアライグマの情報収集と早期の対策が必要」と警鐘を鳴らした。

 続いて、県農業試験場企画経営部の柳澤俊一主任研究員が中型獣類による農作物の被害状況を事例を交えて紹介。被害対策の基本として▽侵入防止▽個体数調整▽環境整備―の3点を挙げた。

 侵入防止策では、電気柵の利用を中心に解説した。獣の種類に応じた通電線の配置例、電柵線や支柱の選択、果樹や野菜の品目別の設置ポイントなどを助言し「痛みなど相手が嫌がる仕組みが重要」と呼び掛けた。参加者からの「センサーライトで追い払っているが効果的か」の質問に対しては「直接的な危害がないと慣れが出て、効果はあまりない」と改善を促した。

 同町山吹竜口地区のモデルほ場では、今後に被害状況の詳細を点検し、電気柵などの対策を講じて効果を検証していくという。

  

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