信南交通がバス停廃止検討で説明会

社会

[ 2017年 1月 26日 木曜日 15時05分 ]

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 飯田市大通の信南交通(中島一夫社長)は25日、同市常盤町の飯田商工会館前に設ける高速バス停留所「飯田(飯田商工会館)」の廃止を検討している問題について、初の住民説明会を開いた。橋南地区を中心に、飯田丘の上5地区の住民ら約80人が参加する中、中島社長は、運転者の労働時間基準の規制強化など、廃止の検討に至る背景を説明。住民らは説明に理解を示すも、「中心市街地からバスが消えることは、市街地の活力低下につながる」と、存続を要望。中島社長は「地域の理解を得ない限り、独断で廃止に踏み切ることはない。時間をかけ、地域の皆さんと解決策を探っていきたい」と話した。

 2012年に関越道で起きた高速ツアーバス事故を背景に、国は13年8月、運転手の運転時間を2日平均で1日9時間以内とするなどの労働基準を規定。飯田―新宿線で見ると、商工会館前を発着点とする現行の運転時間(車庫の回送時間も含む)は往復で9時間8分と、規定時間を超過している。このため、現在の最も多い運転手の勤務形態は、飯田から新宿に向かった後、戻りは新宿から駒ケ根までとし、駒ケ根で宿泊。この形態だと運転時間が8時間55分に収まるという。

 一方で、同社の運行路線数から、本来であれば36人を確保したい運転手が33人しかいない人手不足という課題があり、運転手のやりくりがネックに。商工会館前を撤退した場合には、飯田―新宿間往復が8時間53分となるため、中島社長は「飯田―新宿線は、バスタ新宿に乗り入れる路線の中で8番目に利用者が多い一大基幹路線となっている。規定を守り、運転手の労働環境を保ちながら、より多くの人に利用していただく方法として廃止を検討した」と話した。

 説明を聞いた参加者からは、「降車客がいない停留所には止まらないようにしては」、「停留所の少ない特急便を増やしては」など、運転時間の短縮につながる提案も。また、3月から羽場大瀬木線の利用が始まることでの影響について質問が上がり、中島社長は「往復6分の短縮になる」とした。

 銀座連合自治会の小椋佳織会長は、「当初書面などで廃止の検討を知った際には、経済合理性を考えた進め方で、地域のことを考えてくれていないのかという思いがあったが、説明を聞いたことで『9時間の壁』など背景をしっかりと理解することができ良かった。存続へ可能性がゼロではないことも分かった」と感想。地元常盤町の吉野満さんは「説明を聞き少し安心した部分もある。常盤町は信南バスとともにあるという思いが強い。存続に向け今後も一緒に考えていきたい」と話した。

 昨年11月から同停留所の存続と住民説明会の開催を求める署名活動を展開してきた、橋南まちづくり委員会の原勉会長は「まちづくり委員会(地域住民)、商工会議所、信南交通とが同じテーブルでそれぞれの思いを伝え、解決に向けてともに考えていく機運を高める良い機会となった。相互理解も深まった。決して解決できない問題ではないと感じた。今後も互いに協力し合いながら取り組んでいきたい」と力を込めた。

 また、飯田商工会議所の柴田忠昭会頭は「歴史的背景も踏まえ、地域にとって大事な停留所。今回多くの人に集まっていただいたことからも、関心の高さが表れている。住民と当事者による初の意見交換をスタート台に、良い着地点に向け検討を重ねていけたら」と話した。

  

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