信南交通が商工会館前高速バス停の廃止検討

社会

[ 2016年 12月 3日 土曜日 14時27分 ]

002バスターミナル

 飯田市大通のバス会社、信南交通(中島一夫社長)が同市常盤町の飯田商工会館前にある高速バス停留所「飯田(飯田商工会館)」の廃止を検討しているのに対し、地元関係者らが存続を求めている。同社は利用者数の少なさと安全管理を理由にする一方、地元は「地域活力の重要拠点」と訴え、署名活動も展開。近く飯田商工会議所と橋南まちづくり委員会の代表らが中島社長と協議の場を持つ。

 

 同停留所は新宿、長野、名古屋の高速バス3路線の発着点。飯田商工会館の改築に伴い、2011年秋にバスターミナルとしての閉幕とともに廃止となったが、地元の強い要望を経て、14年4月にバス停として復活した。3路線は伊那バス、アルピコ交通、京王バス、名鉄バスの4社と共同運行で1日計80便を発着する。

 

 今回の廃止検討について中島社長は「運転手の配置基準の厳格化などバス業界を取り巻く環境の変化が最大の要因。安全面に重点を置く必要がある」とする。

 

 背景には、群馬県で起きた高速ツアーバス事故などを踏まえ、国が13年8月、運転手の1日の運転時間を原則9時間とし、前日から翌日勤務までの休息時間なども厳密に管理するよう基準を定めたことがある。

 

 発着点を飯田商工会館から飯田駅前に変更した場合について中島社長は「時間の短縮はわずかであっても、乗務員不足が深刻な中、安全管理を徹底して効率的な配車をやりくりするためには影響は大きい」としている。

 

 さらには利用者数が少ないことも大きい。信南交通の利用実績調査(5月16日~22日)によると、最も利用者が多い飯田・新宿線でも、同停留所の乗車人数は1便平均0・8人。丘の上の次の停留所「飯田駅」は3・4人、中央道飯田ICに近い「伊賀良」は8・0人だった。

 

 11月下旬の平日昼。新宿行きのバスの運転手は「(終日料金で)安く利用できる駐車場も周りに少ないからか、ほとんど乗る人はいない」と話し、乗客不在で飯田駅前に向かった。

 

 一方、同社の意向に対し、地元の商店主や住民からは存続を求める声が多数上がり、市中心市街地活性化協会と飯田商工会議所、橋南まちづくり委員会は10月下旬、同社に存続を求める文書を連名で提出した。

 

 2027年開業予定のリニア中央新幹線の県内駅と中心市街地を結ぶ上で、商工会館前停留所を「重要拠点」に位置付け、廃止されれば「都市の個性や魅力は半減する」と指摘。市や飯田下伊那全体の問題ともとらえ「廃止の意向についてはもう少し時間を掛け、広く検討した上での理解と判断を願う」としている。

 

 橋南まちづくり委員会は11月中旬から、同停留所の存続と説明会の開催を求める署名活動を展開。月末までに約1000人分を集めた。原勉会長は「事業者と地元関係者と双方で協議すべき問題」と訴える。

 

 柴田忠昭会頭も「高速バスをめぐる地域の長い歴史がある中で、経済合理的な側面をもって廃止されることは寂しい。まずは互いが協議の場について、利用者増加策なども考える中で方向性を検討したい」と話している。

  

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