兎岳でシカ食害対策、今月末に防護柵を設置

社会

[ 2010年 8月 14日 土曜日 13時58分 ]

 飯田市は28日から30日までの日程で南アルプス国立公園兎岳(標高2818メートル)で、貴重な高山植物をニホンジカの食害から守るため防護柵を設置する。南アルプス食害対策協議会の事務局を務める伊那市や南信森林管理署、遠山山の会、ボランティアなどの協力を得て十数人で設置作業を行う。

 南アルプスの高山植物はニホンジカの食害により年々減少している。仙丈ケ岳の「馬の背」周辺のお花畑では、かつて咲いていた数多くの高山植物を見ることができなくなっている。聖平では、静岡のボランティアがニッコウキスゲの復元を図っている。兎岳は今のところ、ニホンジカによる食害はあまりないが、お花畑でニホンジカが目撃されており、今後の食害予防のため、防護柵を設置することにした。

 南信濃自治振興センターの熊谷久一さんによると、今月初旬に兎岳の測量に行ってきた。林道が災害をうけており、車が使えなかったため、林道を歩いて往復4時間かかった。お花畑は満開で最高だった。近くにクマやライチョウもおり、カモシカの形跡もあったが、ニホンジカはまだ入っていないようだった。ただ、200メートル下方はシカだらけだったという。

 今回の作業は、兎岳避難小屋一帯で行うが、小屋とテントの収容能力から15人程度に抑える。作業面積は2500平方メートル。高さ2メートルの鉄製ネットフェンスを200メートルにわたり設置する。資材やテントなどはヘリで空輸する。

 市は昨年度から生物多様性保全事業を実施。昨年度は遠山谷でヤシャイノデを保護するため防護策を設置した。今年度は当初予算に206万円を計上し、県から「民間との協働による山岳環境保全事業」の全額補助金を受ける。県の同事業はアサヒビールの寄付金を受けて、ボランティアと関係機関とが連携、協力。貴重な高山植物をニホンジカの食圧から守るため防護柵を設置する。

 兎岳は、飯田市と静岡市葵区の境界に位置し、南アルプス国立公園内にある。兎岳南西部の兎平には、アキノキリンソウ、イワオウギ、ミヤマミミナグサ、ミヤマシシウド、イワベンケイソウ、タカネマツムシソウなど数多くの高山植物が自生している。飯田市に唯一ある高山のお花畑で、シカの食害から免れていた数少ない一帯だったが、昨年からニホンジカの足跡や食害が現れた。

 市環境課では「まだ進入するシカの数は少ないと思われるが、このまま放置すれば食害が進行するものと懸念される」とみている。

 

 

 

  

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