南信州・希少野生植物保護対策会議開く

社会

[ 2011年 3月 3日 木曜日 10時34分 ]

 本年度2回目の南信州・希少野生植物保護対策会議がこのほど、飯田市追手町の県飯田合同庁舎であった。飯伊で保護活動を行う3団体や行政などの関係者約20人が出席。同市美術博物館専門研究員の蛭間啓さんによる「地域自然遺産(保護区)設定のすすめ」と題した講和に続いて、各団体が取り組み状況を報告し合った。

 蛭間さんは「希少植物の保全は、その生育環境を保全することとイコールだが、希少価値のみが一人歩きしてしまいがち」と指摘。飯伊地域にも点在する希少植物が野生の状態で存在する場所を「地域遺産」として保全し、公益ととらえて教育などで有効利用するよう呼び掛けた。

 地域遺産の掘り起こしと保護区設定に向けたトラスト運動の方策案も列挙。「簡単なことではないが、やらねば根本的な保全戦略にならない。目標を掲げたら、手段を考え、達成を目指さないと」と力を込めた。

 質疑応答では、絶滅した希少種を他から移植するなどといった人工的な行為をめぐり、参加者同士が持論を展開した。蛭間さんは「一度消えたものは戻らないという覚悟が必要では。今あるものをどう残すか、昔のような環境をどう戻すかの視点が望ましい」との見解を伝えた。

 絶滅危惧種をまとめた「レッドデータブック」について「飯田版を作成してみてはどうか」との提案もあり、蛭間さんは「市民と行政が力を合わせて動いていくことが大切になる。まだ植物誌すらないため、まずは植物誌の作成を目指したい」と応じた。

 参加団体の近況報告では「休耕田も生かして里山再生に取り組んでいる。自然環境をよくすれば、きれいな花々が咲いてくれるという期待を込めている」(ササユリ山の会、下條村)、「地元の小学生が年2回、ササユリ山の草刈りをしてくれている。子どものころから自然の大切さを知ってもらえれば」(殿林湿原を守る会、阿南町新野)などの思いが伝えられた。

  

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