南部公共交通対策協議会が総会

社会

[ 2010年 3月 5日 金曜日 8時43分 ]

 下伊那南部5町村でつくる下伊那南部地域公共交通対策協議会は4日、阿南町商工会館で総会を開き2010年度の事業計画を決めた。実証運行では信南交通の阿南線が3月末で撤退するため新阿南線で現行の「川路行き」に加え「市内行き」の運行を4月1日から開始する。

 総会で、同協議会長の佐々木暢生阿南町長は「10年度には大型マイクロバス2台の購入も計画している。事業仕分けにより予算が6割程度削減されるが、より多くの方に利用していただける運営に努めたい」と語った。

 4月1日からの2010年度の実証運行では、新阿南線で信南交通撤退のため、現行の高校生通学利用を想定したJR川路駅へ接続する「川路行き」に加え、高齢者の通院利用を想定した「市内行き」の運行を開始する。

 「市内行き」での市内バス停留所はJR川路駅、市立病院、鼎公民館(健和会病院)、飯田駅前、飯田病院前の5カ所が設けられる。市内行きは「車庫前(阿南町)―飯田病院前」と「こまどりの湯(売木村)―飯田病院前」の2つがあり、各往復1便。売木村から飯田病院まで乗った場合の片道運賃は600円となる。

 このほか、飯田線との接続のために運行時刻を見直すほか、回送としていた部分を定期運行に組み入れ利便性の向上を図る。また、温田線で乗客のほとんどが阿南病院への通院利用者という便で、阿南町新野の栃洞公民館前バス停を通過するよう一部区間を変更する。このほかの便数や運賃は現行通りで実証運行を続ける。

 同協議会では、4月1日までに新たな運行時刻表を作成し、関係する町村の各家庭に配布する予定だ。

民業圧迫の指摘も 低価格路線の副作用

 4日開いた下伊那南部地域公共交通対策協議会の総会で、同協議会の監事でもある泰阜村のタクシー業者、マルトハイヤーから昨年11月に提出された提案書について意見が交わされた。提案では南部公共バスの料金設定があまりにも安価なため、タクシーや電車といった民間の交通機関を圧迫しているほか、南部公共バスそのものも採算が合わず長期的な運行が見込めないとの指摘だ。

 昨年9月10日、南部公共バスの実証運行が始まり、阿南町でも低料金の町民バスの運行を開始した。同社は、運行開始後の10月から売り上げが3割減。阿南町が配布していた高齢者向けの福祉タクシー券の利用が皆無になった。

 総会で同社は低料金の負の側面を指摘。「安価な料金を定期券利用に限るべき。バスが電車より安い運賃では格差がありすぎる」「JRの天龍峡―平岡間の便を増やしてもらえる形を」など5項目にわたって提案を行った。

 話し合いでは大平厳天龍村長が「こうした話は当然出ると予想していた。当村でも村営バスが、この料金と比較され苦情が出るのではと心配してきた。行政としては一面だけ見て良いというものではない。当然企業の皆さんの意見を真摯に受け止めるべき」と主張。松島貞治泰阜村長も「公的資金と民間資本で圧倒的な差異があり、協議会として考えていくべき問題」と同調した。この問題は今後も検討を続ける方針だ。

  

関連の注目記事

powered by weblio