消費増税などから経営の継続困難として、3月末で村内唯一のガソリンスタンドでのガソリン販売が終了した売木村で9日、今後の販売継続を考える「売木村にガソリンスタンドを残す会」(仮称)が発足した。ガソリンの燃料タンクの貯蔵期限が切れることし12月までに民間主導で会社組織を立ち上げ、期限以降も販売を継続させたい考えだ。12月までは村観光協会が販売を継続することも決め、早ければ今月中にも再開される見通し。
4月1日以降、村内にガソリンを販売するスタンドがなくなったことで、村民は車で5分ほどの距離にある阿南町新野などのスタンドを利用している。しかし高齢化が進む同村において、将来的な村民の足の確保や農作業機械の燃料確保、キャンプ場や温泉を有する村の観光イメージへの打撃などを考慮した上で「ガソリンスタンドはなくてはならない」と判断。後藤文登・村観光協会長(村会議長)らが発起人となり、9日に村民ら約20人が参加して初会合を開いた。
意見交換では「何とか残したい」「観光面に影響し商店まで消えかねない」など継続を望む声で一致した一方、民間による組織の立ち上げから資金面の確保などの課題は大きく、行政へ協力を求める声も出た。
後藤会長は「会社にしろ組合にしろ、組織を立ち上げた場合の村の応援はあると思うが、まずは我々で立ち上がらなければ始まらない」と強調。今後も利用可能な補助金、募金、出資などの情報収集に努め、組織立ち上げから販売を軌道に乗せるための最良の策を検討していく。
参加者の販売継続の意思を確認した上で、当面の間は同観光協会が販売を担うことも決めた。後藤会長は「今月中にも従業員を募集し、販売を再開させたい」とし、「呼び掛けにこれだけ多くの村民が集まってくれて良かった。思いを実現するために、今後も協議を進め、12月以降、新組織に移行することができれば」と話している。