天竜川災害伝承シンポジウム

社会

[ 2015年 6月 1日 月曜日 8時37分 ]

 伊那谷において未曾有の災害と伝わる「未の満水」から300年、遠江地震による「池口崩れ」から1300年の節目の年を迎え、天竜川上流河川事務所、飯田建設事務所、飯田市、高森町は29日、飯田文化会館で大規模災害の教訓を次世代に伝える「天竜川災害伝承シンポジウム」を開いた。地域住民をはじめ、行政や建設業界などから約700人が参加。講演会やパネルディスカッションを通じ、過去の災害を学ぶとともに、地域防災力強化の重要性を再認識した。

 「未の満水」は、1715年6月、梅雨時の長雨にともなう豪雨により、天竜川流域に甚大な被害をもたらした土砂災害。この年が未年であったため「未の満水」と呼ばれる。飯田城下では死者32人、流家118軒、堤防破損2580間という被害の記録が残っており、1961年6月に伊那谷を襲った三六災害を上回る災害規模だったと推測される。

 「池口くずれ」は、1300年前の遠江や三河を揺るがす大地震により、池口川上流(南信濃)の日陰山が大きく崩壊。今でも崩れた落ちた岩塊の一部が池口川の両岸に残っている。大崩壊による大量の岩石は、遠山川との間にあった尾根まで乗り越え遠山川本流へ流れ込み、池口川と遠山川には、せき止められたことによる天然ダムができた。また、遠山川上流の広い氾濫原では、多くの森林が湖底に沈み、岩石や土砂に埋もれ埋没林となった。

 シンポジウムでは、伊那谷自然友の会の寺岡義治さんが「池口崩れと埋没林の研究」と題し、福島県広野町復興企画課企画振興係の尾田栄章さんが「東日本大震災と原発事故からの復興最前線『広野町』で感じること」と題しそれぞれ講演。続くパネルディスカッションでは、信州大学名誉教授の北澤秋司さんがコーディネーターを務め、講師の尾田さんをはじめ、理学博士の松島信幸さん(高森町)、飯田広域消防本部消防長の桂稔さん、長野県砂防課長の蒲原潤一さん、天竜川上流河川事務所長の中谷洋明さんが、「大規模災害に学び次世代に伝えること」をテーマに意見を交わした。

  

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