イチゴ狩りのシーズンを迎えている喬木村の観光農園などが4日、次亜塩素酸水を噴霧して空間除菌する超音波式加湿器を導入した。受け入れ農家のハウスと受付所のたかぎ農村交流研修センターに設置。アルコール剤による手指の消毒とともに感染症対策を徹底してもらい、安心して楽しめる収穫体験の提供を目指す。
同村のイチゴ狩りは1月11日にスタート。事務局のNPO法人たかぎによると、1月中は例年以上の来訪があり、2月末まで前年比1~2割増で推移してきた。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、バスツアーや団体客に2月中旬ごろから出始め、キャンセルが続いている。個人客では大きな変化がみられないものの、長期化を懸念している。
感染症対策は、1月中から実施してきた。品不足を予想してアルコール剤を備蓄し、受付と各ハウスに設置。来場者に手指消毒への協力を呼び掛けてきた。
交流研修センターのトイレと各ハウスに併設した簡易トイレでは定期消毒も実施。便座やドアノブ、水道の蛇口などを1日3回、アルコールでふき取っている。
2月27日には受け入れ農家と村、JAみなみ信州、NPO法人たかぎでコロナウイルス対策会議を開催。対策の「見える化」に向けた案内ポップの掲示や、各ハウス内への超音波式加湿器の導入などを決めた。
発注していた機器17台が納入され、4日に配備。次亜塩素酸水は、細菌やウイルスだけでなく、アルコールでは除菌できない細菌の芽胞にも効果があるとされる。
NPO法人たかぎの田中生輝事務局長(62)は「バスツアーなどの減少は避けられないが、考えられる限りの対策を行い、安心して楽しめる環境を提供したい」と話していた。
◎写真説明:導入した次亜塩素酸水の加湿器